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新サービスから半年、スローニュースはこんなスクープを出してきました!医療・健康編【年末特集①】

今年6月20日からサービスを再開したSlowNews。おかげ様で、これまで半年の間にさまざまな調査報道スクープを出すことができました。そこで、どんな独自の報道を発信してきたのか、4回に分けてふり返ります。1回目の今回は、医療や健康に関わるスクープです。

無呼吸症の医療器具で「健康被害のおそれ」、いまだ回収中で被害報告も

サービス再開とともに発信したのが、こちらの萩一晶さんによるスクープです。

日本でも900万人が悩んでいるという「睡眠時無呼吸症候群」について、フィリップス製の医療器具に「健康被害のおそれ」があることが発覚。しかし日本では十分な周知もないまま、いまだ「回収中」だというもの。

その背景にある制度上の問題点と、健康被害の実態を明らかにしました。

オープンデータから、実は日本でもこうした医療器具で「健康被害」が発生していたことを報じています。

さらに、日本では、重篤な健康被害の恐れは「ない」という扱いをされていますが、各国での対応状況を調査したところ、韓国やカナダ、オーストラリア、米国では危険度が「最も高い」と判断されていたことが判明しました。

日本のリコールに関する制度そのものに問題がある状態は、続いています。ぜひ関係当局には見直しを進めてほしいと思います。

学校で汚染水が飲まれていた!一橋大、東京学芸大、桐朋学園…PFASに有名校はどう向き合うのか

東京・多摩地区にある一部の学校や大学で、PFAS(有機フッ素化合物)に汚染された地下水が飲み水や給食の調理などに使われていることがわかったという諸永裕司さんのスクープです。

超高濃度のPFASを従業員の血液から検出…静岡の化学工場の内部調査データを入手

PFASの全国で追い続けている諸永さん。静岡県の化学工場で密かに従業員の血液検査が行われ、超高濃度のPFASが検出されていたというスクープを放ち、話題になりました。地元の中日新聞が一面トップで報じたほか、静岡新聞やNHKも大きく扱いました。

【スクープ】発がん性あるPFOA汚染水で健康不安が広がる岡山・吉備中央町、血中濃度の衝撃データを明らかにする

国の暫定目標値の16~28倍の汚染された水が供給されていたことが発覚した岡山県の吉備中央町。しかも、飲み水の汚染がいつから始まったのかはわかりません。住民たちは健康不安におびえています。

いったい、どれだけのPFOAを体の中に取り込んでしまったのか。住民のうち27人が、京大の血液検査を受けた結果、衝撃的な血中濃度が出ました。そのデータを明らかにした記事です。やはり地元の各社が報道をしました。

「諸永裕司のPFASウオッチ」という連載も始まり、取材はまだまだ続いています。

話題の「エクソソーム」投与で肺がんが急速肥大 中止勧告後も継続された有名美容クリニックの『極秘治療』

がん治療を美容クリニックで行う。そんなプロジェクトを極秘で進めていた美容クリニックが品川美容外科です。実はこのプロジェクトの過程で不測の事態が発生していました。伊藤喜之さんのスクープです。

続報では、決定的な証拠を提示。患者から治療への同意を取る説明・同意書の説明文に、「本治療は(中略)臨床研究計画書を厚生労働省へ提出した上で」と記載していましたが、実際には同省に計画書を提出しておらず、虚偽記載をしていたのです。

次回は捜査当局で行われていた不正を次々と暴いている、フロントラインプレスによる報道をまとめてご紹介します。