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諸永裕司のPFASウオッチ

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「永遠の化学物質」として問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)。調査報道スクープや最新の自治体や企業の動き、取材の経過などをこちらで発信していきます。(取材:諸永裕司)
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記事一覧

米軍嘉手納基地周辺でのPFAS汚染、日本の調査結果が「基地は汚染源ではない」との幕引きに利用されたのか

沖縄で繰り返される米兵による性暴力事件が、外務省内で長く伏せられてきたことが明らかになった。米軍基地以外に要因が見当たらないPFAS汚染をめぐっても、真相の解明は宙に浮いたままだ。 その背景になにがあるかを浮き彫りにする興味深いレポートが6月末に発表された。 <嘉手納基地のPFAS汚染:日本の調査は幕引きに使われたのか> 沖縄で米軍による基地汚染を監視するNGO「IPP(The Informed-Public Project)」代表の河村雅美さんによるものだ。 嘉手納

ペットボトルのミネラルウォーターが汚染されていたことが発覚!1年以上販売されていたが神戸市は公表せず

ミネラルウォーターのPFAS汚染、情報公開請求で発覚市販されているペットボトルのミネラルウォーターから、水質管理のための目標値の2倍の濃度のPFASが検出されていたことがわかった。しかも、高濃度が確認されたあとも、少なくとも1年以上販売されていた。(※サムネイルの画像はイメージ) 驚くべき事実は、兵庫県明石市の市議、辻本達也さんが情報公開請求をしたことによって明らかになった。 明石市では、水源としていた明石川から高濃度のPFASが検出され、活性炭による浄化に取り組んだもの

アスリートの「見えざる敵」?人工芝のPFASは大丈夫なのか、海外では議論が巻き起こり規制も

東京都知事選では、「神宮再開発」が争点の一つに浮上している。 「100年先につながるまちづくりが必要」(小池百合子氏)、「(計画を)ひっくり返せば、むしろ混乱する」(石丸伸二氏)という推進派に対し、「非常に神聖な森。残すべき」(田母神俊雄氏)との反対派、「賛否を問う住民投票を行う」(蓮舫氏)とする見直し派などに分かれる。 環境破壊、都市開発、説明不足、利益誘導などさまざまな論点があるなか、PFASとの関連で気になることがある。計画案を見ると、新設される新・秩父宮ラグビー場

「血液調査の必要性」を明記し「未然防止の観点も踏まえて」と提言、専門家のPFAS評価書に環境省はどう動くのか

フリーランス 諸永裕司 「一日に摂取しても大丈夫な量」が打ち出されたが……発がん性が指摘される「永遠の化学物質」を、体内にどれくらいまで取り込んでも健康への影響はないか。 PFASワーキンググループ(WG)は6月20日、PFAS(有機フッ素化合物)による健康影響についての評価書をまとめ、「耐容一日摂取量(許容摂取量)」を打ち出した。  PFOS  20ナノグラム(1日、体重1キロあたり)  PFOA  20ナノグラム(同) これまでにも報じてきたように、アメリカ環境保

PFAS汚染への取り組みを批判した国連報告書に東京都が削除要求!その反論内容を詳しく検証する

フリーランス 諸永裕司 東京都が国連報告書に削除要求という報道<政府は全文削除を要求したが、文章は東京都がほぼ作成したことが判明> 6月13日付の東京新聞朝刊にこんな内容の記事が出た。 国連人権理事会のもとにある「ビジネスと人権」作業部会がまとめた報告書に対し、日本政府は一部の削除を要求する反論文を出し、その内容はほぼ東京都が作成していた、というのである。 作業部会は昨年夏に日本各地で調査を行い、「リスクにさらされている人たち」(女性、LGBTQI+、障害者、先住民族

【スクープ】工場のPFAS汚染水が「垂れ流し同然」は本当か?極秘文書に記された衝撃の排出方法とは

国際機関が発がん性を指摘している化学物質「PFAS」。様々な用途に使われてきたため、PFAS汚染はいまや日本の各地で次々と確認されています。 このうち、静岡市の化学メーカー、三井・ケマーズフロロプロダクツの工場では、働いていた人だけでなく、周辺からも検出されました。その謎を解く実に50ギガバイト(5万ファイル分)にのぼる工場内部の膨大な極秘データ『デュポン・ファイル』をスローニュースは入手し、深刻な汚染を引き起こしていた原因や実態を解明しています。 汚染が広がった要因とし

「米軍・横田基地が汚染源」と研究者、ところが東京都は監視井戸の水質測定をやめた!小池知事はなぜ動かない?

なぜ横田基地が汚染源と言えるのか東京・多摩地区の汚染源のひとつは米軍・横田基地である――。 京都大学の原田浩二准教授は昨年、多摩地区にある140ヶ所の地下水などを測定・分析し、あらためてそう結論づけた。 主な根拠は二つある。 第一に、立川市の浅井戸と深井戸から、かつて基地の消火訓練に使われた泡消火剤に含まれるPFOSなどがきわめて高濃度で検出された。最大値は3102ナノグラムと、国の目標値の60倍を超える。なお、地下水脈はおおまかに西から東へ流れおり、基地の西側の井戸か

工場のPFAS汚染水は「垂れ流し同然」だった!極秘文書が語るその実態とは【スクープ連載『デュポン・ファイル』動画編②】

その工場の周辺が、なぜ高濃度の“毒の水”に汚染されたのか。長期連載してきた『デュポン・ファイル』の第2シーズン「排水編」を、7分余りの動画にまとめました。 PFAS汚染はいまや日本の各地で次々と確認されています。静岡市の化学メーカーの工場では「垂れ流し同然だった」という元従業員の言葉は本当なのか。驚くようなその管理の実態を、工場のある地元の皆さんだけでなく、この問題を初めて聞くという多くの方にぜひ視聴していただきたいと思い、わかりやすい動画で発信します。 取材・監修:諸永

小池知事が約束した「都政の透明化」はどこへ?「黒塗り」を「白塗り」に変えてごまかす「PFAS情報非公開」

フリーランス 諸永裕司 東京都知事選の告示まで2週間あまり。 立憲民主党の参院議員・蓮舫氏、広島県安芸高田市長の石丸伸二氏などが候補に名乗りをあげ、小池百合子・都知事の動向に注目が集まっている。 8年前、東京都庁を「伏魔殿」と呼んで当選した小池知事は、就任から約5カ月後の記者会見で、こう語った。 「かねてより東京大改革、その一丁目一番地には情報公開があるということを申し上げてまいりました。都政を見える化させるという点、透明化ということであります」 情報開示請求にかかる

【諸永裕司のPFASウオッチ】「公害という言い方やめる」わずか10日で前言を翻した静岡市長は、前日に会社トップと面会していた!

旧デュポン清水工場によるPFAS(有機フッ化化合物)汚染は「公害」で、会社は「市民に対して説明する責任がある」。スローニュースのインタビューに明確に答えた難波喬司・静岡市長が、わずか10日後の5月24日に開かれた記者会見で、あっさりと前言を翻した。「公害という言い方はこれからはやめる」「いますぐ説明が必要だとは伝えていない」。なぜそんな発言に転じたのか。市長が会見の前日に会っていた人物とは――。 フリーランス 諸永裕司 「公害という言い方はやめる」驚きの発言は5月24日に

【諸永裕司のPFASウオッチ】「謎の汚染」を解明するカギになるか、環境省が全国調査へ

国際機関が発がん性を指摘しているPFAS(有機フッ素化合物)。全国各地で汚染が発覚し、原因が不明とされているケースもある。 そんな中、新たにPFAS汚染の死角に光が当てられた。PFASの除去に使われる「活性炭」。その実態調査に環境省が乗り出すことになったのだ。 きっかけは、飲み水が高濃度で汚染された岡山県吉備中央町のケースだ。汚染源は山中に野積みされた使用済み活性炭と見られている。こうしたケースが他にもあるのではないか。環境省は町議会からの要請を受けて全国調査に踏み切るこ

【諸永裕司のPFASウオッチ】「何も説明しないし、対策も持ってこない!」静岡市長が会社に“公害の汚染者負担”求める

国際機関から発がん性を指摘されているPFAS(有機フッ素化合物)。ジャーナリストの諸永裕司さんは、静岡市にある三井・ケマーズフロロプロダクツ(旧三井・デュポンフロロケミカル)の清水工場で高濃度に汚染された排水や排気の実態を記した大量の極秘資料『ディポン・ファイル』を入手し、スローニュース上でスクープ連載を発信。PFAS汚染が全国で問題になる中、地元のみならず各地から反響の声が上がっています。 この報道を受けて、いまどう対処しようとしているのか。今回、工場が立地する静岡市の難

動画ですぐわかる!極秘資料で明らかにした地下水汚染の実態とは【スクープ連載『デュポン・ファイル』動画編①】

その工場の周辺が、なぜ高濃度の“毒の水”に汚染されたのか。長期連載してきた『デュポン・ファイル』の第1シーズンを、7分余りの動画にまとめました。 PFAS汚染はいまや日本の各地で次々と確認されています。コンパクトに分かりやすく解説していますので、工場のある静岡市の皆さんだけでなく、この問題を初めて聞くという多くの方にぜひ視聴してほしいと、無料で配信することにしました。 取材・監修:諸永裕司 編集・ナレーション:宮田峻伍 ロゴデザイン:中江由里恵 制作:熊田安伸 関心を持

次世代の物質「GenX」米国では規制、清水工場ではまだ使われているのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第15回】

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