マガジンのカバー画像

諸永裕司のPFASウオッチ

50
「永遠の化学物質」として問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)。調査報道スクープや最新の自治体や企業の動き、取材の経過などをこちらで発信していきます。(取材:諸永裕司)
運営しているクリエイター

記事一覧

【諸永裕司のPFASウオッチ】「何も説明しないし、対策も持ってこない!」静岡市長が会社に“公害の汚染者負担”求める

国際機関から発がん性を指摘されているPFAS(有機フッ素化合物)。ジャーナリストの諸永裕司さんは、静岡市にある三井・ケマーズフロロプロダクツ(旧三井・デュポンフロロケミカル)の清水工場で高濃度に汚染された排水や排気の実態を記した大量の極秘資料『ディポン・ファイル』を入手し、スローニュース上でスクープ連載を発信。PFAS汚染が全国で問題になる中、地元のみならず各地から反響の声が上がっています。 この報道を受けて、いまどう対処しようとしているのか。今回、工場が立地する静岡市の難

動画ですぐわかる!極秘資料で明らかにした地下水汚染の実態とは【スクープ連載『デュポン・ファイル』動画編①】

その工場の周辺が、なぜ高濃度の“毒の水”に汚染されたのか。長期連載してきた『デュポン・ファイル』の第1シーズンを、7分余りの動画にまとめました。 PFAS汚染はいまや日本の各地で次々と確認されています。コンパクトに分かりやすく解説していますので、工場のある静岡市の皆さんだけでなく、この問題を初めて聞くという多くの方にぜひ視聴してほしいと、無料で配信することにしました。 取材・監修:諸永裕司 編集・ナレーション:宮田峻伍 ロゴデザイン:中江由里恵 制作:熊田安伸 関心を持

次世代の物質「GenX」米国では規制、清水工場ではまだ使われているのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第15回】

この記事はメンバーシップに加入すると読めます

証拠メールを発見!汚染拡大の原因は経産省の「お墨付き」か【スクープ連載『デュポン・ファイル』第14回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で通称C-8として半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を描く調査報道シリーズの連載第14回。 汚染が広がった原因に、実は経済産業省も深く関係していた。そのこ

突如として始まった曝露防止策に従業員たちから反発も【スクープ連載『デュポン・ファイル』第13回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で通称C-8として半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第13回。 「PFOA全廃」の方針が決まった時、従業員の曝露

秘密裏の血液検査の一方、会社側は「健康影響はない」と説明し続けた【スクープ連載『デュポン・ファイル』第12回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物、「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で通称「C-8」として半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第12回。 C-8の健康影響について、会社は従業員たちに

「がん」「心臓疾患」…体内汚染は病気と関係ないのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第11回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物、「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第11回。 ここまでは工場から汚染された排水やガスがどのように拡散していった

排気ガスの浄化装置でも相次いだトラブル【スクープ連載『デュポン・ファイル』第10回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第10回。 前回は排気ガス放出の実態と、対応策として浄化設備がどのように設け

「あまりの高濃度」で封印された大気汚染のデータ【スクープ連載『デュポン・ファイル』第9回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第9回。 工場からの汚染水が流れるはずがない場所で、なぜ濃度が上がっているの

工場からの排水が流れるはずがない場所がなぜ汚染されたのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第8回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第8回。 前回は汚染水排出をめぐるずさんな管理や、抜本的な対策が見送られた実

汚染水の抜本的な削減策は「断念」されていた【スクープ連載『デュポン・ファイル』第7回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物、「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第6回。 前回は汚染水が「事実上、垂れ流していた」という証言を裏付けるため極

汚染水が「一般排水」に流されていた…極秘資料が語るずさん管理の実態とは【スクープ連載『デュポン・ファイル』第6回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第6回。 前回は清水工場でのPFAS汚染水の管理基準が作成された経緯を追ったが

「ケタ外れに高い値」の汚染水を流した排出基準はどう決められたのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第5回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物、「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第5回。 地下水は高濃度で汚染され、工場周辺の魚も1983年には汚染が発覚。

工場の汚染水は「垂れ流し同然」だった…排出削減は成功したのか【スクープ連載『デュポン・ファイル』第4回】

国際機関から発がん性を指摘されている有機フッ素化合物の「PFOA(ピーフォア)」。三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)で半世紀以上にわたって使われ、工場の内外を汚染していた。その工場内の極秘データが収められた「デュポン・ファイル」を入手。5万ファイルに及ぶ膨大な資料を紐解きながら、「地下水汚染」「排水汚染」「大気汚染」「体内汚染(従業員)」の実態を4週にわたって描く調査報道シリーズの連載第4回。 地下水の汚染源をたどっていくと、フッ素樹脂の製造工程で規格外となっ