「真実がわからない」という声に――2025年のSlowNewsは日本版『ニュース砂漠』に挑む!
2025年を迎えました。新年もよろしくお願いします。
昨年はおかげさまでたくさんのスクープを手掛けることができました。これも会員の皆さんの支援のおかげです。お礼を申し上げます。
そのうえで、今年のSlowNewsは、さらに活動を拡大し、そのネットワークを広げていきます。
新年早々には、第一弾として科学ジャーナリストの須田桃子さんによる特集企画を1月3日より集中連載します。
須田さんとは、日本のジャーナリズムの中でも手薄といわれる科学報道の分野に取り組んでいきたいと考えています。
さらに、あらたにスタートした、科学者をはじめとするアカデミズムとジャーナリズムとの連携による社会課題を解決するイベントとして反響をいただいた「SlowNewsForum」も、より深化をさせていきます。
「ニュース砂漠」という言葉が、メディア関係者には知られています。
もともとアメリカで経営が苦しい地方紙が休刊し、地域において信頼できる地元ニュースを提供するメディアがほとんど存在しない、または完全に欠如している状況をさしています。
日本の場合、情報が不足しているニュース砂漠はローカルという地域だけではなく、科学報道のようなジャンルにも当てはまる懸念がある、と考えています。
さらにいえば、たとえば昨年の兵庫県知事選挙。SNSやYoutubeでたくさんの情報が乱れ飛ぶ中で、「真実がわからない」という声をたくさん目にしました。これも日本版ニュース砂漠だと言えるのではないでしょうか。
こうした「真実を知りたい」という切実な声に、きちんと時間をかけてつくった信頼ある情報を届けることで応える必要性はますます高まっています。これまでとは違った伝え方も必要になります。そこに2025年のSlowNewsは挑んでいきます。
新しい仕掛け、取り組みもこれから発信していきます。さらなるスクープ、調査報道、そして骨太なノンフィクションも手掛けていきます。
時間をかけた信頼できる情報を生み出すエコシステムづくりに取り組むSlowNewsのチャレンジを、今年も応援よろしくお願いいたします。
スローニュース代表 瀬尾傑