2024年、スローニュースはこんなスクープを出してきました!内部告発と捜査当局の問題編【年末特集②】
2024年の調査報道の振り返り。2回目は、大きな話題を呼んでいる「内部告発」をめぐる記事と、「人質司法」など捜査当局の問題を取り上げた記事をご紹介します。
【スクープ】宮崎県警による証拠改ざん疑惑のSDカード、警察庁が以前から「改ざん可能」を把握していたことが新証言で発覚
殺人事件の証拠画像を記録したSDカードを、宮崎県警が改ざんしたとされる疑惑で新たな事実が発覚しました。問題となっているのは、キオクシア社(旧・東芝メモリ社)製の「Write Once(ライトワンス)メモリーカード」。このSDカードは改ざんできないとされ、ほとんどの都道府県警察で使用されていますが、実際には遅くとも2018年には警察庁が書き換え可能であることを把握していたことがわかったのです。警察庁主催の技術コンクールでプレゼンした元警察官が証言しました。(記事はこちらから)
【疑惑の県警】報道機関を強制捜査し、内部告発した取材源を特定!鹿児島県警「前代未聞の暴挙」は憲法違反だ
報道機関に警察が捜索に入って取材資料を差し押さえ、それを端緒に、報道機関の取材源を特定して逮捕する、などということは、言論の自由を保障する民主主義国では通常ありえません。社会における公共情報の流通を大きく萎縮させて、民主主義を機能しづらくすることになるのが明らかだと考えられてきたからです。実際、現憲法下で独立して以降の日本の捜査当局は、そうした手法を用いるのにこれまできわめて抑制的でした。ところが、鹿児島県警が、おそらく戦後日本で初めて禁を破り、それを行いました。
今回、公益通報(内部告発)制度に関する研究に取り組み、多数の著作もあるジャーナリストで上智大学教授の奥山俊宏さんが、緊急に寄稿しました。(記事はこちらから)
【スクープ】警察庁官房長が事実と異なる国会答弁か…広島県警「隠蔽工作」の証拠録音を入手、その内容とは
広島県警の不正経理事件をめぐり、警察庁長官官房長の国会答弁が事実と異なる疑いが浮上しました。最初の匿名の内部告発をめぐる経緯について、広島県警は隠蔽工作をしていたため警察庁に報告していなかったのでは?フロントラインプレスは口封じの様子が克明に記録された複数の録音を入手。決定的な証拠を明らかにしました。(記事はこちらから)
新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤兵庫県知事はどこで間違えたのか
兵庫県庁に長年勤め、西播磨県民局長の要職にあった渡瀬康英さんが、県組織のトップである知事の非を鳴らす内部告発に踏み切った末に、この7月7日、自死を選びました。定年退職目前の60歳でした。この顛末は、日本社会の多くの人の気持ちをざわつかせています。
「内部告発の対象となったパワハラなど種々の疑惑もさることながら、知事の最大の過ちは、渡瀬さんの内部告発に対する前時代的なひどい仕打ちにある」と指摘するのは、ジャーナリストで上智大学教授の奥山俊宏さんです。「兵庫県の対応は公益通報者保護法に違反しており、官庁に限らず企業も含め多くの組織にとって<他山の石>にすべき事例だと考える」という奥山さんが、今回、緊急寄稿しました。(記事はこちらから)
冤罪のまま病死した父の無念!苦痛を無視し保釈を7回も却下した司法は「無実の被告の死」さえ知らなかった…大川原化工機事件遺族『悲しみの新証言』
胃がんが見つかりながら保釈が認められず、約11カ月にも及ぶ身柄拘束の末に被告の立場のままで亡くなった男性。しかし男性にかけられた容疑は、現役の捜査員が「捏造ですね」と法廷で証言するほどの「冤罪」でした――。
男性が勾留一時停止後に「無念の死」をとげていたことを、検察は把握さえしていなかったことが明らかになりました。(記事はこちらから)
「手錠は規則だから外せない」救命のための医師からの要請に応じない警視庁の非道な振る舞い
警視庁に逮捕された40代女性が心臓の病気で留置場から病院に救急搬送された際、手錠につながれたままの状態で治療を受けさせられていました。女性は「人間扱いされているとは到底言えなかった。適切な医療を適切な形で受けさせてほしかった」と訴えています。(記事はこちらから)
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2024年、スローニュースはこんなスクープを出してきました!
【年末特集①】政治とカネ&選挙のデータ編:https://slownews.com/n/nddf7e153d491