「母が死んでほっとしました」原爆を生き抜いた「ヤングケアラー」がいた…いまだ「被爆者」に認定されず
広島、長崎への原爆投下から、今年で79年。体験者たちにとって「あの日」は過去のことではない。
4歳で原爆を体験した松尾栄千子(えちこ)さんは、病に倒れた両親を介護し、家事を一身に担うようになった。炊事に洗濯、畑の仕事まで。「あかぎれだらけになった私の手を見て、母は泣いていました」。83歳になった今でも、思い出しては涙をこぼす。
自身も闘病しながら、高校進学もあきらめて家族を支えた日々。彼女は、原爆が生んだ「ヤングケアラー」だった。その苦しみは、今に至るまで取り残されている