マガジンのカバー画像

内部告発(公益通報)をめぐる問題

15
広島県警、鹿児島県警、兵庫県と、いま内部告発(公益通報)が改めて大きな問題になっています。まだ十分に理解されていない公益通報制度をめぐる報道をこちらにまとめています。(広島県警の…
運営しているクリエイター

#公益通報者保護法

五百旗頭理事長逝去に関する告発文書の記述について

兵庫県の前西播磨県民局長が作成した4ページの告発文書「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)」をめぐり、兵庫県議会は、真実解明のため地方自治法100条に基づく調査権限を発動して、特別委員会(百条委員会)を開催しています。この文書に対する斎藤元彦知事らの対応が公益通報者保護法に違反するのではないか、との問題が社会の関心事となっています。 内部告発の実情を長年研究してきた上智大学の奥山俊宏教授が、同委員会で参考人として陳述するのに合わせ5日に同委員会に

【詳細解説】真実相当性に関する兵庫県の判断の問題点について

兵庫県の前西播磨県民局長が作成した4ページの告発文書「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)」をめぐり、兵庫県議会は、真実解明のため地方自治法100条に基づく調査権限を発動して、特別委員会(百条委員会)を開催しています。この文書に対する斎藤元彦知事らの対応が公益通報者保護法に違反するのではないか、との問題が社会の関心事となっています。内部告発の実情を長年研究してきた上智大学の奥山俊宏教授が、同委員会で参考人として陳述するのに合わせ5日に同委員会に提出

「告発文書を世に知らしめたのは元局長ではなく斎藤知事その人です」なぜ知事らの行いが法律違反といえるのか、兵庫県議会・百条委での解説全文(後編)

兵庫県の元西播磨県民局長が作成した4ページの告発文書「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)」をめぐり、兵庫県議会は、真実の解明のために地方自治法100条に基づく調査権限を発動して、「百条委員会」を開催しています。 5日午前は、スローニュース上で『新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤兵庫県知事はどこで間違えたのか』を発信した、公益通報制度に詳しい上智大学教授でジャーナリストの奥山俊宏さんが百条委員会に招かれ、意見を陳述しました。 ス

「斎藤知事の言動は“公開パワハラ”だ」兵庫県議会の百条委で奥山教授が鋭く指摘した全文を掲載(前編)

兵庫県の前西播磨県民局長が作成した4ページの告発文書「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)」をめぐり、兵庫県議会は、真実の解明のために地方自治法100条に基づく調査権限を発動して、特別委員会(百条委員会)を開催しています。 5日午前は、スローニュース上で『新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤兵庫県知事はどこで間違えたのか』を発信した、公益通報制度に詳しい上智大学教授でジャーナリストの奥山俊宏さんが百条委員会に招かれ、意見を陳述しまし

新聞ではわからない疑惑の核心!「おねだり疑惑」斎藤兵庫県知事はどこで間違えたのか

兵庫県庁に長年勤め、西播磨県民局長の要職にあった渡瀬康英さんが、県組織のトップである知事の非を鳴らす内部告発に踏み切った末に、この7月7日、自死を選びました。定年退職目前の60歳でした。この顛末は、日本社会の多くの人の気持ちをざわつかせています。 「内部告発の対象となったパワハラなど種々の疑惑もさることながら、知事の最大の過ちは、渡瀬さんの内部告発に対する前時代的なひどい仕打ちにある」と指摘するのは、ジャーナリストで上智大学教授の奥山俊宏さんです。「兵庫県の対応は公益通報者

「内部告発があった」と会社にやってきた石川県の担当者、そして社長が打ち明けた担当者の驚くべき行為とは

企業や役所の不正が内部告発をきっかけに明らかになるケースは数多い。最近では、中古車販売の「ビッグモーター」をめぐる不正でも、従業員から損害保険の団体に内部通報があったことがわかっている。 一方で、内部告発者が不利益を被ったというニュースも社会には溢れている。勤務先の企業の不正を知ったとしても、多くの従業員は「報復」や「村八分」を恐れて沈黙するだろう。 だが、石川県に住む山川健太郎さん(仮名)は沈黙しなかった。しかし、告発状を受け取った当局が漏らしてしまうとは、夢にも思わな

内部告発を企業側に漏らした北陸農政局と石川県、なぜ「告発者を危険にさらした」のか

取材・執筆 フロントラインプレス 内部告発をしたら、社内で告発者探しが始まってしまった。なぜそんなことが起きたのか。 公益通報者(内部告発者)を守るために作られた公益通報者保護法は2004年に成立した。来年で丸20年になる。しかし、告発者を守る意識が企業や官公庁に浸透したかと言えば、全く違う。大きなニュースになることはないが、意を決して内部告発者となった者が何らかの経緯で身元を特定されてしまう“身バレ”もあちこちで起きていると思われる。 石川県の山川健太郎さん(仮名)の

【スクープ】補助金の不正受給を内部告発したら、社内で突然「告発者探し」が始まった!北陸農政局は何をしたのか

取材・執筆 フロントラインプレス 勇気を出して内部告発の声を上げたのに、その内容が不正に手を染めている当事者に筒抜けになったとしたら。    山川健太郎さん(仮名)は、勤め先の企業による補助金約2000万円の不正受給を、農林水産省の出先機関・北陸農政局に告発(公益通報)した。ところが、農政局のずさんな対応のために企業側に内部告発の内容が伝わっていたことがフロントラインプレスの取材で明らかになった。  公益通報者保護法の趣旨に反する対応が、なぜ行われたのか。 補助金の不