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内部告発(公益通報)をめぐる問題

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広島県警、鹿児島県警、兵庫県と、いま内部告発(公益通報)が改めて大きな問題になっています。まだ十分に理解されていない公益通報制度をめぐる報道をこちらにまとめています。(広島県警の…
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#北陸農政局の内部告発漏えい

「内部告発があった」と会社にやってきた石川県の担当者、そして社長が打ち明けた担当者の驚くべき行為とは

企業や役所の不正が内部告発をきっかけに明らかになるケースは数多い。最近では、中古車販売の「ビッグモーター」をめぐる不正でも、従業員から損害保険の団体に内部通報があったことがわかっている。 一方で、内部告発者が不利益を被ったというニュースも社会には溢れている。勤務先の企業の不正を知ったとしても、多くの従業員は「報復」や「村八分」を恐れて沈黙するだろう。 だが、石川県に住む山川健太郎さん(仮名)は沈黙しなかった。しかし、告発状を受け取った当局が漏らしてしまうとは、夢にも思わな

内部告発を企業側に漏らした北陸農政局と石川県、なぜ「告発者を危険にさらした」のか

取材・執筆 フロントラインプレス 内部告発をしたら、社内で告発者探しが始まってしまった。なぜそんなことが起きたのか。 公益通報者(内部告発者)を守るために作られた公益通報者保護法は2004年に成立した。来年で丸20年になる。しかし、告発者を守る意識が企業や官公庁に浸透したかと言えば、全く違う。大きなニュースになることはないが、意を決して内部告発者となった者が何らかの経緯で身元を特定されてしまう“身バレ”もあちこちで起きていると思われる。 石川県の山川健太郎さん(仮名)の

【スクープ】補助金の不正受給を内部告発したら、社内で突然「告発者探し」が始まった!北陸農政局は何をしたのか

取材・執筆 フロントラインプレス 勇気を出して内部告発の声を上げたのに、その内容が不正に手を染めている当事者に筒抜けになったとしたら。    山川健太郎さん(仮名)は、勤め先の企業による補助金約2000万円の不正受給を、農林水産省の出先機関・北陸農政局に告発(公益通報)した。ところが、農政局のずさんな対応のために企業側に内部告発の内容が伝わっていたことがフロントラインプレスの取材で明らかになった。  公益通報者保護法の趣旨に反する対応が、なぜ行われたのか。 補助金の不