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匿名社会と情報公開

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情報の透明化こそが民主主義の基本であり、オープン化の進度はそのまま民主化が進んでいることを表す……はずなのに、むしろ逆行するような事態にさえなっています。匿名化の問題や、情報公開…
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#情報公開

「国葬文書」隠蔽を非営利メディアTansaが提訴!情報公開の形骸化は民主主義の危機だ

SlowNews 熊田安伸 安倍晋三元首相の「国葬」は、どのような判断で行われたのか。それを知るため、非営利のメディア「Tansa」が内閣府や内閣官房などに情報公開請求をしました。ところが、結果は「存在していない」として不開示の決定が。岸田首相が「しっかり調整した」と発言しているのに、存在していないなんてありえない……そこでTansaは9月30日に国を提訴しました。 提訴に至るまでの経緯…「民主主義の根幹が崩れる危機感を覚えた」提訴のあと、東京地方裁判所内の司法記者クラブ

反省どころか前回開示情報も塗りつぶしてきた厚生労働省の恥知らずな「情報非公開」

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 浮島丸事件-新たに10件の乗船者名簿が開示。しかし前回開示された情報も「外務省との調整」で不開示に。情報公開では後ろ向きの日本政府ですが、さすがにこの対応には驚き、呆れました。 戦争終結直後の1945年8月24日に京都府の舞鶴港で日本海軍の輸送船「浮島丸

日本政府が「存在しない」と言い続けた沈没船・浮島丸の名簿、事故から79年たってジャーナリストが存在を突き止める

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 「浮島丸事件」がミステリー化した元凶、日本政府が「ない」と言い続けた乗船者の名簿が見つかった 79年後に開示された資料が語るもの今から79年前、戦争終結直後の1945年8月24日に京都府の舞鶴港で爆発し、沈没した日本海軍の輸送船「浮島丸」。日本政府は、爆発

小池知事が約束した「都政の透明化」はどこへ?「黒塗り」を「白塗り」に変えてごまかす「PFAS情報非公開」

フリーランス 諸永裕司 東京都知事選の告示まで2週間あまり。 立憲民主党の参院議員・蓮舫氏、広島県安芸高田市長の石丸伸二氏などが候補に名乗りをあげ、小池百合子・都知事の動向に注目が集まっている。 8年前、東京都庁を「伏魔殿」と呼んで当選した小池知事は、就任から約5カ月後の記者会見で、こう語った。 「かねてより東京大改革、その一丁目一番地には情報公開があるということを申し上げてまいりました。都政を見える化させるという点、透明化ということであります」 情報開示請求にかかる

「会社代表の住所非公開は透明化に逆行し危険を招く」代替手段はあるとする澤教授の意見を全文掲載する

株式会社の登記簿には現在、代表者の名前と住所が掲載されていますが、一定の要件を満たせば掲載する代表者の住所を市区町村までにとどめ、それ以上の情報は非公開にできるようになります。省令の施行は10月1日です。 登記簿は会社代表の本人を特定できる数少ない情報で、不正な商取引や詐欺、反社会勢力の進出などを防止するため、非常に重要な役割を果たしてきました。その重要なルールが改正された経緯などについては、前回の記事で紹介しています。 法務省は省令改正前に募ったパブリックコメントを公表

30年後の公開が原則の外交文書、米側が開示しているのに黒塗りにしてしまう外務省の拙劣さ…何が書かれていたのか?

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 作成後、30年が経過したら公開されることが原則の「外交文書」。知られざる歴史の内幕を紐解く第一級の公文書です。 毎年、年末に公開され、メディア各社はそれを読み解いて記事にしています。去年の場合は、「初の天皇中国訪問」の裏側が大きな注目点で、当時の宮沢総理大臣が「ぐらぐらしている」と不