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広島県警の不正経理事件

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広島県福山市内の警察署で2019年から2020年にかけ、組織の指示によるカラ出張が何度も繰り返され、実態のない“出張”に対する旅費や時間外手当などが公金から支出されていた疑いがあ… もっと読む
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【会員限定】公安警察の不正経理を告発した元警察官が実名ですべてを語る!26日19時からイベント開催

スローニュースで連載し、事件化した公安警察での不正経理。それを内部告発した元警察官・粟根康智さんが実名・顔出しですべてを語るイベントを開きます。2月26日(月)19時からリアル会場での開催です。 去年8月から12月まで、18回にわたって連載を展開した「広島県警の不正経理事件」。きっかけは、広島県内の警察署で勤務していた粟根康智さんの内部告発でした。 広島県警は警察官3人を詐欺と虚偽公文書作成・同行使の容疑で書類送検しましたが、粟根さんは「本当に適正に捜査されたのでしょうか

「広島県警の不正の認定がおかしい」「捜査費が明らかにされてない」元警察官が実名で訴えたことと無念の思い

広島県警の不正経理問題を在職中にカラ出張を公益通報(内部告発)し、これまでは匿名で取材に応じていた元巡査部長の粟根康智さん(44)が13日、実名に切り替えて記者会見に臨んだ。 この問題で県警は警察官3人を詐欺と虚偽公文書作成・同行使の容疑で書類送検したが、粟根さんは「本当に適正に捜査されたのでしょうか」と県警の姿勢を批判。送検容疑と自らの体験に大きな食い違いがあるとして、さらに詳しく捜査・調査するよう求めた。 粟根さんは記者会見に先立って、代理人の清水勉弁護士と共に県警本

「不正とされた金額が明らかにおかしい」内部告発した広島県警元警察官の実名顔出し会見、ノーカット動画で

広島県警の不正経理事件、「県警は本当に適切な捜査をしたのか」と憤るのは、内部告発をした粟根康智さんです。彼によれば、県警が不正と認定した金額が明らかにおかしいといいます。 実名、顔出しで行った記者会見、全編ノーカット動画でお伝えします。

警察内部での「口封じの証拠」を入手!その内容から証拠隠滅の動きを明らかにする

広島県福山市内の警察署を舞台とした不正経理問題は、不正を最初に察知したはずの広島県警監察官室の対応に大きな疑惑が残ったままだ。 一連の不正に関しては、元巡査部長の男性(40代)が在職中に公益通報しているが、実はその1年ほど前にこれと同じ不正を告発する投書が県警の監察官室に届いている。(スローニュースでは8月2日に既報) しかし、あろうことか監察官はその投書内容をカラ出張の中心人物だった警部(53)=詐欺容疑などで書類送検済み=に伝え、警部はその情報をもとに部下らの口封じに

「捜査費の不正は間違いない。このままでは闇に…」書類送検の内容とは全く違う不正の実態とは

広島県警の不正経理問題で、県警はカラ出張で出張旅費などを不正に受け取ったとして、警察官3人を詐欺と虚偽公文書作成・同行使の容疑で広島地検に書類送検した(送検と発表は今月8日)。 警察としての事件処理はこれで一段落したことになるが、一連の不正経理を在職中に公益通報(内部告発)した元巡査部長の男性(40代)と代理人の清水勉弁護士は「事件処理の中身と実際に起きていたことが全く整合していない。このままでは全体像が解明されないまま幕引きされる」と憤る。 闇に葬り去られようとしている

【コラム】広島県警の不正経理問題、なぜメディアの報道は「腰が引けている」のか

フロントラインプレス代表 高田昌幸 広島県警の不正経理問題に関しては、警察と日常的に接する地元メディア、広島に拠点を置く全国メディアの腰が引けた報道ぶりが目立っている。 県警監察官室の「ノーコメント」になぜメディアは疑問すら提示しないのか元巡査部長らは11月20日に1回目の記者会見を広島県政記者クラブ(加盟20社)で行い、ふだんは県警を担当する記者らが大勢集まった。ところが、肝心の県警側の対応に関し、地元のテレビや新聞は県警の言い分を伝えるだけ。各メディアとも「コメントす

「なぜ県警は理由も示さず、乱暴な拒否をするのか」広島県警の不正経理問題で元警察官と弁護士が審査会で意見

取材・執筆 フロントラインプレス なぜカラ出張を命令されたのか、なぜ警察組織では自浄作用が働かないのか。そして、不当に得た公金を返したいのに手続きも教えてくれないは、どうしてなのか。 広島県警・公安部門のカラ出張を在職中に公益通報(内部告発)した元巡査部長の男性が先月30日、情報公開に伴う審査会でそんな内容を意見陳述した。男性が行政機関の公的な場で発言したのは初めてだった。 カラ出張問題がスローニュースの報道で明らかになってから約4カ月。福山市内の警察署の警備課を舞台と

元警察官による“見えない組織”公安警察の告発、会見ノーカット動画と記者への回答を詳しく

広島県警の不正経理疑惑で、内部告発した元巡査部長(40代)が初めてメディアの前に姿を現し、自らが経験したカラ出張の実態や告発に至る経緯を語りました。 具体的に経理をどのようにしていたのかなど、記者の質問に答えた内容をより詳しくお伝えするほか、会見のノーカット動画、それに配布された資料もこちらで公開しています。

「警察官が違法行為をやったらおしまいじゃね」娘にそう言われた私は、警察を退職する決断をした

引き締まった体にダークスーツ。小柄で生真面目さを漂わせる40代の男性が、顔を紅潮させながら、親指で目頭をぬぐい、声を詰まらせていた。 「警察官が違法行為をやったらおしまいじゃね、と娘に言われて……やめて責任を取れと、ちゃんとこれを公にしなさいと言われた時に……これからの組織、後輩のことを考えると、同じ目に遭わせたくない……」 子どものころからの夢だった警察官を辞めよう。自分自身も逮捕されてしまうかもしれないが、覚悟の上だ。 警察の、しかも警備公安という“外から見えない組

独占告白!「私は罪を償いたいのです」内部告発した警察官が「カラ出張の手口」をすべて語った

取材・執筆 フロントラインプレス 広島県の警察署で繰り返されていたという「カラ出張」の問題。内部告発した元巡査部長(40代)は、いま何を思うのか。 今月30日に行われる広島県情報公開・個人情報審査会を前に、カラ出張の実態や告発に至る経緯、その後の出来事など、自らが知る全てをフロントラインプレスの取材に語った。 その内容を一問一答形式でお伝えする。 刑事に憧れたが、国直轄の警備・公安部門に元巡査部長(40代)は広島県の出身。地元の学校を出た後、警察官になった。犯罪被害者

「カラ出張」を内部告発した警察官が​​情報公開審査会で「公開証言」

取材・執筆 フロントラインプレス カラ出張を何度も命じられ、不正に現金を受け取っていたという広島県の警察官が、ついに公の場に現れる。 今月30日に開かれる広島県情報公開・個人情報審査会で、「意見陳述」を行うことになったのだ。 この元巡査部長の男性(40代)は在職中、広島県警監察官室に「上長に命じられてカラ出張を繰り替えていた」と内部告発(公益通報)していたが、県警側は長く放置し、内部調査も事件捜査も進んでいない。 カラ出張には上長も関与しているとされ、他の警察署でも同

【スクープ】「国費捜査費」にメスは入るか…元警察官が公の場での意見陳述求める

取材・執筆 フロントラインプレス 広島県警の警察署でカラ出張が行われていたとされる問題で、上席にカラ出張を命じられていたとする元警察官が、公の場での意見陳述を求めていることが明らかになった。 男性は福山市内の警察署警備課に勤務していた2019年から2020年にかけ(当時の階級は巡査部長)、上席の指示により少なくとも計6回、出張申請に関する虚偽書類を作成するなどして、旅費や日当を不正に受け取ったと主張している。男性は在職中に不正の事実を広島県警監察官室に申告し、犯罪の自首に

【スクープ】広島県警に無視された外部からの「通報」 放置された「自首」

取材・執筆 フロントラインプレス 広島県福山市内の警察署警備課で繰り返されていたという「カラ出張」。上席の指示に逆らえず、虚偽の出張願などを作成していた警備課の巡査部長は、在職中に一連の事実を県警に伝え、最後には監察官室に公益通報(内部告発)した。 巡査部長はカラ出張の当事者であり、県警に事実を伝える行為は犯罪の申告「自首」に等しい。ところが、監察の調査や犯罪の捜査は遅々として進まず、事実上、放置状態だった。 元巡査部長が県警の監察官に語った不正の内容とは巡査部長は20

【スクープ】広島県警に送られた「カラ出張」の告発メール、その内容とは

取材・執筆 フロントラインプレス 広島県福山市内にある警察署の警備課でカラ出張が繰り返されていた疑いが浮上している。2019〜2020年にかけてのことだ。調査報道グループ「フロントラインプレス」はこの疑惑について計4本の記事でその経緯や不正の手口などを報じてきた。 上席の指示で「カラ」を続けた警察官の1人(巡査部長)はその後、2022年3月になって広島県警本部に公益通報(内部告発)した。ところが、県警本部は法令に定められた受理の通知も出さず、“告発”はごく最近まで放置され