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おすすめノンフィクション

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毎月掲載「気になる来月のノンフィクション」をはじめ、本を紹介した記事をこちらにまとめています。
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2024年8月の記事一覧

ピケティ、潜入取材の手法、エリート過剰生産…9月の気になるノンフィクション

古幡 瑞穂 ノンフィクションレビューサイト『HONZ』で連載していた「これから出る本」がお引っ越ししました。本の中でも“ノンフィクション”は非常に範囲が広く、書店店頭で探すのも難しいジャンルになります。しかし、発売されている本を眺めているだけでも、今の世の中やこれからの世の中が見えてきます。9月はどんな本が発売されてくるのでしょうか。 今年はバーツラフ・シュミルの当たり年のようです。3月には『Invention and Innovation』、6月には『SIZE(サイズ

総力戦研究所を描いた『虎に翼』を見て思い浮かべた、「敗戦の理由」を正面から問う本

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 『虎に翼』岡田将生さん演じる航一モデル・三淵乾太郎が所属<ある機関>総力戦研究所とは?若きエリートたちは「日本必敗」を開戦前に予測したが…話題の朝ドラ『虎に翼』、8月2日の展開には驚きました。 岡田将生さんが演じる星航一が打ち明けた秘密、それは彼が「総力

「内部告発は組織への裏切りではなく、公益のため必要なこと」今の時代にこそ読みたい、組織と告発者を取材したルポルタージュ

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 「ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか」広島県警、鹿児島県警、そして兵庫県など。いま、組織の不正を「内部告発」する動きが相次いでいます。 しかしスローニュースでも何度もお伝えしているように、「公益通報制度」がその趣旨の通りに理解されているのかと、首をかし