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政治とカネをめぐる報道

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自民党の派閥パーティ券裏金化問題の発覚後、政治資金規正法が改正されましたが、まだ問題は山積です。政治とカネをめぐる問題をまとめています。
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#政治資金

国民民主党の玉木氏、榛葉氏ら15人が旧文通費を自分の政治団体に「セルフ寄付」…使い道が見えない状態に

国会議員に毎月100万円支給される調査研究広報滞在費(旧・文通費)の在り方を見直す法改正が2024年12月に行われ、2025年8月から適用されることになった。これまでは使途の公開が義務付けられていないことから「第2の歳費」「もう1つの財布」と言われてきた資金で、何に使われていたのか分からないケースが多く、その資金を自分の政治団体に寄付する議員も少なくなかった。いわゆる「セルフ寄付」である。 セルフ寄付とはいったい何か、どこが問題なのだろうか。昨年から所属国会議員の使途公開を

【アーカイブ動画】政治資金収支報告書を読み解く!初心者にこそ聞いてほしい基本の読み方と今回の注目点を全解説

11月29日に、最新の政治資金収支報告書(2023年度分)が公開されました。多くのジャーナリストや研究者が一斉に分析に取り掛かっています。 でも中には、「収支報告書を読んだことがない」という記者や、「若手記者に読み込ませたいけど、研修を開く余裕も人員もない」というデスクもいらっしゃるでしょう。 そんなお困りの皆さんのため、スローニュースが緊急講座を2024年11月26日に開きました。 ・そもそも政治資金収支報告書って何? ・どこでどうやって入手すればいいの? ・どう読

自民「非公認への交付金」がやっぱり選挙に使われていた!TBS報道特集の調査報道で明らかに

先の衆議院選挙の結果に影響を与えたと言われる「自民党の非公認の議員への政党交付金」。しんぶん赤旗によるスクープでした。 森山幹事長は、「選挙のためではなく、党勢拡大のため」という苦しい説明をしましたが、そもそも、毎回の衆議院の解散直後に配られるこのカネは、定期的に配っている交付金とは違って、選挙の支援と受け取られています。スローニュースでも、前回選挙があった2021年の時の自民党の全候補のデータをもとに、選挙に使われている実態を明らかにしています。 こうしたなか、TBSの

富山の地方局がまたまたスクープ!チューリップテレビが地元国会議員の政治資金規正法違反疑惑を追及

自民党の田畑裕明議員の政治とカネを巡る新たな疑惑を富山のチューリップテレビがスクープしました。 チューリップテレビは田畑議員が支援者と交わしたとされる電話の音声データを入手。それよると、支援者が勤める企業の従業員名簿をもとに田畑議員が本人に無断で自民党員に登録。その党費の支払を、田畑議員の支援企業でつくる後援会が企業から集めた「献金」を充てていたというのです。 そこで、公開されている過去3年の収支報告書を確認すると、支援者の企業が「会費」として納めた献金と同額が「寄付」と

【緊急イベント】政治資金収支報告書を読み解く! 11月の定期公表前にジャーナリスト向け講座を26日に開催します! 初心者にこそ聞いてほしい基本の読み方と今回の注目点を全解説

相変わらず政治とカネの問題が火を噴いています。そんな中で、今月(11月)29日に、最新の政治資金収支報告書(2023年度分)が公開されます。多くのジャーナリストや研究者が一斉に分析に取り掛かることになるでしょう。 でも中には、「収支報告書を読んだことがない」という記者や、「若手記者に読み込ませたいけど、研修を開く余裕も人員もない」というデスクもいらっしゃるでしょう。そんなお困りの皆さんのため、スローニュースが緊急講座を開きますよ。ぜひご利用ください。 政治資金収支報告書、

【自民“第2の裏金”を追及する⑨】ついに東京都連でも不記載が発覚!捜査当局も重大関心か

自由民の県連で相次いで発覚している「支部への支出不記載」問題で、東京都連でも同様の不記載が存在することがフロントラインプレスの取材で新たにわかった。見つかったのは、2022年分の計11件・総額240万円余り。関係する支部は10支部を数える。 これらの各支部はいずれも政治資金収支報告書で「都連から交付金を受け取った」として収入を計上しているが、都連の収支報告書には対応する支出の記録がなかった。 フロントラインプレス これまでに鳥取、神奈川、愛知、鹿児島、群馬の県連でも発覚

「裏金1500万円は高額で組織的犯行だ」一連の事件で初の不起訴不当の判断、世耕氏団体の会計責任者に…不起訴になった他の事件にも影響か

自民党安倍派(清和政策研究会)が政治資金パーティーの収入を裏金として各議員に還流させていた事件に関して政治資金規正法違反容疑(虚偽記載、不記載)で世耕弘成衆議院議員(和歌山2区)らが刑事告発されながら不起訴となっていた問題で、東京検察審査会は3日までに、キックバックを受けていた政治団体「紀成会」(資金管理団体)の会計責任者に対して不起訴不当の議決を出した。 一連の裏金事件で、検察審査会が不起訴不当を議決したのは初めて。 フロントラインプレス 不起訴になった他の裏金事件に

自民議員はなぜ「パーティー券収入」にしがみつくのか、そしてカネがかかる一番の理由とは【全議員データで見えた政治とカネ④】

国会議員全員の関係する団体の政治資金収支報告書をデータベース化して分析する取り組み、4回目は「各党の収支の違い」を取り上げます。 前回の衆院選の翌年、2022年のデータベースをもとに分析したところ、なぜ自民がこれほどパーティー券収入にこだわるのか、収支の構造が見えてきました。 そして最後に、真の「闇」が浮かび上がります。 集計:「政治資金データベース」制作グループ/構成・文:熊田安伸 与党と野党の「資金調達額」の差から浮かぶものまずは2021年の衆議院選挙の翌年、20

医療系政治団体、暴力団がらみの疑惑企業、新興宗教法人…誰が寄付しているのかが見えてきた!【全議員データで見えた政治とカネ③】

国会議員全員の関係する団体の政治資金収支報告書をデータベース化して分析する取り組み、3回目は「誰が寄付しているのか」を取り上げます。 前回の衆院選があった2021年の1月~10月のデータベースをもとに分析したところ、議員の団体に最もカネを提供している組織や企業が見えてきました。 集計:「政治資金データベース」制作グループ/構成・文:熊田安伸 自民は企業や業界団体からの寄付も、選挙のあった10月に集中交付金に次いで収入の多くを占めているのが「寄付金」です。選挙のあった10

非公認にも渡していたことで注目の政党交付金、自民は選挙の月に42億円を投入する猛烈なテコ入れぶりだった!【全議員データで見えた政治とカネ②】

国会議員全員の関係する団体の政治資金収支報告書をデータベース化して分析する取り組み、2回目は国会議員の政治団体の「収入の変化」について、より掘り下げます。 2020年から2022年までの3年分のデータベースをもとにそれぞれの政党ごとに分析したところ、選挙期間中に自民党がすさまじいまでの「テコ入れ」をしている実態が見えてきました。やはりキーとなったのは、注目の「党本部からの交付金」でした。 集計:「政治資金データベース」制作グループ/構成・文:熊田安伸 選挙の年、自民党は

【緊急徹底調査】話題の「選挙直前の自民の交付金」はどう使われた?「もらったその日に候補本人に寄付」が75人、全額寄付も10人で選挙運動費に【全議員データで見えた政治とカネ①】

「しんぶん赤旗」のスクープでも話題になった、選挙直前の自民党本部からの2000万円の「政党交付金」。自民党も、通常配っている交付金とは別のものだと認めています。 では、もらった側の政治家たちはどのように使っているのか。前回、2021年の衆議院選挙の際の「政治資金収支報告書」と「選挙運動費用収支報告書」をもとに、国家議員の関係するすべての団体を分析。すると、交付金の多くが支部に入金された後、支部から議員本人に寄付された形で資金移動していて、選挙運動に使われていた詳しい様子が見

京都で10億円、滋賀で5億円…首長や地方議員の「使途不明」政治マネーがすごい額になっていると京都新聞が報道

以前から「政治とカネ」の調査報道に力を入れている京都新聞が22日、新たな報道を発信しました。 京都府と滋賀県の市町村長や地方議員が関連する資金管理団体や政党支部など、1769の団体の政治資金収支報告書を徹底調査。支出の内容や支払いの明細がわかならいケースが16億円近くにのぼることを明らかにしています。 対象としたのは、2022年1年分で、支出総額の33億9800万円のうち、47%が「使途不明」という有様です。京都府で10億6900万円、滋賀県で5億2700万円にのぼってい

裏金事件で非公認にしたのに「活動費」2000万円提供、自民の「党勢拡大のため」という説明は通るのか、そして議員たちは本当に「知らなかった」?

驚くべきスクープが出ました。23日のしんぶん赤旗の「裏金非公認に2000万円 公認と同額 自民本部が政党助成金」という記事です。 裏金事件で非公認となった自民党の議員が代表を務める政党支部に、党本部から「活動料」として政党助成金の2000万円が振り込まれたというのです。 なぜ2000万円なのか。自民党の議員が代表を務める政党支部の政治資金収支報告書などを分析してみると、その意味が浮かび上がってきます。 自民党は、毎年定期的に党本部から一定額の政党助成金を支部に対して交付

自民の森山幹事長や丹羽元副大臣らを刑事告発…代表を務める鹿児島県連や愛知県連で発覚した不記載で【自民“第2の裏金”を追及する⑧】

フロントラインプレス 自民党の県連で相次ぎ浮上している「支部への支出不記載」問題で、新たに愛知県連(会長=丹羽秀樹氏)と鹿児島県連(会長=森山裕・党幹事長)でも多数の不記載が存在することが、調査報道グループ「フロントラインプレス」の取材で明らかになった。いずれも2022年分で、愛知県連は44件・総額約1498万円、鹿児島県連は16件・約105万円に達する。 これらのケースではいずれも、傘下の県内各支部には「県連から交付金を受け取った」との記録が残っているにもかかわらず、県