マガジンのカバー画像

「災害前線報道ハンドブック」と災害関連リポート

61
大災害は突然にやってきます。その時、何を取材するべきでしょうか。記者たちに的確な指示が出せるでしょうか。ありそうで存在していなかった「災害時の取材マニュアル」ジャーナリストのプレ…
運営しているクリエイター

#読売新聞

【東日本大震災13年】メディアはどのように伝えているか、注目のコンテンツを紹介・前編

あの日から13年、ことしも3月11日がやってきました。 年月の経過とともに伝えるべきことは変化し、メディアも何をどう発信すべきかを模索しています。一方で、「伝えることができない類の悲しみ」(ルポライター・三浦英之氏)にも、変わらず向き合っていかなければなりません。 13年目の報道で、注目したものをまとめました。 スローニュース 熊田安伸 被災者の実情を伝える調査報道など被災した中小企業を救うために創設されたのが「グループ補助金」です。その名の通り、企業がグループで再建

被害を伝えるのに有効な可視化の方法とは。そして記録を残すことも重要【能登半島地震コンテンツ⑥】

スローニュース 熊田安伸 元日に発生した「令和6年能登半島地震」に関するコンテンツ。「サービス・ジャーナリズム」「公共性」「可視化」などの観点から、メディアなどの発信で注目したものを、これまで5回にわたって取り上げました。 今回は「サービス・ジャーナリズム」とは言えないものの、被害を可視化することによって被災地だけでなく多くの人に被災地の実情を理解してもらおうと取り組んでいるコンテンツを取り上げ、効果と課題を探りました。 どこでどんな被害が起きているか、地図に動画を連動

能登半島地震で進化したYahoo!「災害マップ」と存在感ないNHK「電子地図」はなぜこんなに差がついたか

スローニュース 熊田安伸 元日に発生した「令和6年能登半島地震」に関するコンテンツ。「サービス・ジャーナリズム」「公共性」「可視化」などの観点から、メディアなどの発信で注目したものを前回取り上げました。 その後、各社に取材したり、メッセージをもらったりしたところ、非常に興味深い現象が起きていることが分かったので、今回、続編として取り上げます。 Yahoo!「災害マップ」は当初こんな使い方を想定していなかった!地図上に避難所の位置や、給水所の場所などが表示され、被災者にと

Yahoo!の「災害マップ」は「命を救う公共メディア」に育つ可能性を示したか~能登半島地震でのコンテンツ表現は

スローニュース 熊田安伸 元日に発生した「令和6年能登半島地震」。いまだ被害の全容がわからず、安否が不明な方が大勢います。一刻も早い救助と、避難している人たちへの支援が必要です。 そこで今回は、メディア各社をはじめとしたこの地震に関するコンテンツの中から、「サービス・ジャーナリズム」「公共性」「可視化」などの観点から、特に目を引いたものを取り上げてみたいと思います。 「みんなで作る防災情報 災害マップ」がもたらすかもしれない新たな「公共」Yahoo!が発信した「災害マッ

日本全国どれだけ暑くなったのか、一目でわかるコンテンツが次々誕生…今年はメディア界の「ヒートマップ元年」か

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 東京の夏は着実に「暑く・長く」なっている2018年に作られたコンテンツが、ことし再び話題になっています。それが、こちらの「東京が確実に暑くなっている」ことを可視化したヒートマップです。 作成したのは、現在はGoogleでフェローを務める荻原和樹さん。東洋