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「災害前線報道ハンドブック」と災害関連リポート

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大災害は突然にやってきます。その時、何を取材するべきでしょうか。記者たちに的確な指示が出せるでしょうか。ありそうで存在していなかった「災害時の取材マニュアル」ジャーナリストのプレ…
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2023年7月の記事一覧

災害前線報道ハンドブック【第1章】発災フェイズ③限られた取材リソースをどこに配置すべきか

スローニュース 熊田安伸 「発災フェイズ」の続きです。災害発生の直後に記者やカメラマンなどをどこに送ればいいのか、とっさに判断ができるでしょうか。事前にシミュレーションしておくことが肝要です。最小限で最大の効果を生む方法をまとめました。 最初動で限られた記者をどこに配置するか潤沢な取材リソースがあれば、可能な限り多くの場所に記者を配置したいものですが、地方局などではそうもいきません。ここでは動かせる記者が5人いたと想定します。 結論から言うと、私なら……

「リスクがない」ように思えるハザードマップ上の空白域は安全じゃない。リスク情報が未整備ということも

膨大なニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 ハザードマップの「空白域」を知っていますか? 大雨シーズンに確認したい注意点 秋田市内では大雨による被害が大変なことになっていますね。 どこが浸水しそうなのか、土砂崩れのおそれがあるところはないか。災害の前にハザードマップで確認しておくことが重要です。

災害時の「助けにいかなければ」は本当に大丈夫か…“共助死”について考える

氾濫するニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、従来の「思い込み」や常識をくつがえすような、深く掘り下げたコンテンツをおすすめしています。 「共助死」 風水害時の共助的行動に伴う人的被害についてことしも大雨による災害が相次いでいます。避難を呼び掛けに向かった市議が、土砂崩れに巻き込まれて亡くなるという痛ましい被害も出ました。 そんな中、静岡大学 防災総合センターの牛山素行教授

災害前線報道ハンドブック【第1章】発災フェイズ②SNSの分析もいまや必須

スローニュース 熊田安伸 大災害が発生した直後に何をするべきなのか。「発災フェイズ」の取材の続きです。実は誰にも分らない「いま何が起きているのが」。それを割り出すために有効な手法、SNSでの分析について説明します。 SNSの分析は「コタツ取材」ではない今や、マッピングと並んで重要なのが、SNSの分析です。消防や行政にも届いていない被災者の声に耳を傾けることは、現場の実情を知るために今や不可欠です。よく「マスコミはネットで情報とるのではなく、自分で現場に行けよ」なんてネット