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「これで世間に頭を下げずに済むと思った」という言葉の裏側を引き出した「津久井やまゆり園殺傷事件」被害者遺族への取材

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障害者の息子を殺され、安堵した母 死の3日前に記者に残した言葉

「障害者なんていなくなればいい」

 とても認めることはなどできない植松聖死刑囚のこんな犯行動機について、この女性は「母親の私でさえ、嫌になってしまったんだから。そんな気持ちになるのもわかる」と当時の心境を話していたといいます。

2016年に相模原市の「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件で、長男の山本利和さん(当時49)を失った女性に取材してきた朝日新聞記者が紹介する母親の気持ちがあまりに切ないです。

きれいごどではない、本当に苦しい子育てに向かい合ってきた母親ならではの言葉がこころにしみます。

周囲から孤立し、そして迷惑がられる。ずっと頭を下げてきた。そんな苦しさをもらす女性に、記者はこう問い、その言葉の裏側にある本当の気持ちを引き出します。

「でもお母さんは園の慰霊碑に利和さんの名前を刻むと決めました。この部屋には利和さんの遺影があります。それはなぜですか」

事件から7年、取材を重ね、被害者の気持ちによりそう想像力をもっていたからこそ、遺族の複雑な気持ちを引き出すことができたのでしょう。新聞社らしい、腰をすえた取材が事件のもつ背景を伝える記事です(瀬)

(朝日新聞2023/12/13)

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