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ニュースの価値を「速さ」から「深さ」に

※旧SlowNewsのサービス終了前の記事です。文中のリンクは現在は使えませんのでご了承ください。

書き手:瀬尾傑

ニュースの価値は速さだけではありません。

毎日忙しいからといって、すぐに食べられるFastFoodを慌てて食べてばかりじゃ、体にはよくありません。そんな考えから、素材からひとつずつ吟味した手作りの料理をゆっくり味わうSlowFoodという運動がイタリアから広がりました。

ニュースも同じです。タイムラインを流れていく膨大なニュースを追いかけていくだけでは、心も体も疲れてしまいます。複雑な世界を理解することもできません。その出来事の背景にはなにがあったのか。これからなにが起きようとしているのか。たっぷりと時間をかけ、いろいろな人に話を聞き、たくさんの資料にあたり、じっくり考えてつくられたニュース、SlowNewsを読みながらゆっくり思考することが大切です。

だから、私たちは信頼できるSlowNewsを集めました。その価値は速さではなく、深さにあります。

たとえば本。大宅壮一賞を受賞した佐々木実さんの「竹中平蔵 市場と権力」や、講談社ノンフィクション賞を受賞した安田浩一さんの「ネットと愛国」、サントリー学芸賞に輝いた山口慎太郎さんの「家族の幸せの経済学」といった、選りすぐりの作品180冊以上がいつでも好きなときに読めます。

たとえば海外記事。NewYorkTimesやThe Guardianといったクオリティペーパーや、調査報道専門NPOのPropublicaから選りすぐりの記事を紹介しています。デジタル化をめぐる新聞社の内紛アマゾンの組合つぶしの手口といった、他のメディアでは読めない記事ばかりです。

たとえばオリジナルコンテンツ。取材にじっくり取り組むジャーナリストやメディアにその費用を提供する「調査報道支援プログラム」から新しいコンテンツが生まれています。政治資金団体を利用した政治家の「節税」のからくりも明らかにしました。下山進さんの「アルツハイマー征服」の取材にも協力をしています。SlowNewsの会員になることで、日本の調査報道を支えることができます。

こうして、SlowNewsという挑戦がスタートしました。

視点を増やし、人生を豊かにしてくれるニュースがここにはあります。


これから、SlowNewsの裏側や楽しみ方を、われわれチームのメンバーだけでなく書き手、ユーザーの協力を得ながら、お届けしていきたいと思います。