見出し画像

週刊文春だけが「性加害問題」を追い続ける出版業界とジャニーズの関係は変わるか

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、ぜひ読んでほしいコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

BBC「性加害報道」後もジャニーズが講談社にかけてきた「圧力」

ジャニー喜多川氏の性加害は国連人権理事会から指摘を受けるほどの問題になっていますが、いつもは芸能界のスキャンダルに熱心な週刊誌が、週刊文春以外、ほとんど沈黙しています。

いまだ出版界においては、ジャニーズ問題はタブーのままなのです。

出版界とジャニーズのもたれあいの構造にメスを入れたのが、『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』の著者、伊藤喜之さんによる『BBC「性加害報道」後もジャニーズが講談社にかけてきた「圧力」』です。

この中で、ジャニーズ事務所が広告代理店をつかってスキャンダルを書いた週刊誌に圧力をかけたり、BBCによる報道以降も出版社に性加害問題を取り上げないよう恫喝していたことを明らかにしています。

ジャーニーズが強気な姿勢なのは、出版社にとって大事なビジネスパートナーでもあるからです。この記事では、メディアを忖度させるカレンダー利権について、出版関係者のこんな声を紹介しています。

「カレンダーと言っても事実上は付録付きの写真集のようなものです。定価は平均2000円以上と高額です。相対的には人気がないグループでも数万部、売れるグループならば20万部を平気で超えます。たとえば、2500円のカレンダーが実売10万部とすると、版元に入る売り上げは1億5000万円です。ほっといてもファンが買うから、広告など営業コストもさほどかからない。1億円以上の利益となります」

「この1億円の利益と週刊誌にジャニーズのスキャンダルを載せる価値を天秤にかけたとき、明らかにカレンダーが勝つ。それが商業出版のむなしい現実です。」

伊藤さんは古巣の朝日新聞をはじめメディアとジャニーズのもたれあいを、この連載で追いかけています。性加害が野放しになったのはジャニーズに依存し、健全なチェック機能を果たせなかったメディアの責任が大きい。その構造を明らかにしなければ、再発を防ぐことができない、という姿勢で連載に取り組んでます。

その実効性については批判はあるものの、ジャニーズは再発防止のための検証チームをつくっています。ジャニーズとの関係を検証し、その見直しをするメディアは出てくるでしょうか。(瀬)

(SlowNews 2023/7/18~8/22)

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!