がんで逝ったのは汚染された水を飲み続けたせいなのか…岡山県吉備中央町、全国初の自治体による血液検査を前に
8月31日午前4時すぎ、あたりはまだ薄暗かった。
和室に敷いた布団の中で、池本睦子さん(65)は目を覚ました。襖をはずして隣り合う八畳間のベッドには、末期がんの夫、武志さん(65)が横になっている。おはようと声をかけたが、反応がない。
あわてて2階にいる息子(42)を呼び、夫の手首に血圧計を巻いた。「E」。エラーを示す文字が出て、計測不能という。もう一度試すが、変わらない。口元に耳を近づけると、もう息づかいは聞こえなかった。
1カ月前、がんの進行度を示す腫瘍マーカーは正