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諸永裕司のPFASウオッチ

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「永遠の化学物質」として問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)。調査報道スクープや最新の自治体や企業の動き、取材の経過などをこちらで発信していきます。(取材:諸永裕司)
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2024年7月の記事一覧

自衛隊基地の専用水道のPFAS汚染、厚労省が報告求めるよう通知。知られざる実態が今秋にも判明へ

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あの自衛隊基地の専用水道から高濃度PFASを検出、隊員にペットボトル配布の異例事態に!防衛省が全国の基地で水質検査へ

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飲み水の規制「据え置き」に。根拠はなぜか8年前の海外のデータ…世界から取り残される日本の実態とは

「PFASにかかわる水質基準」日本での議論の現状は「日本では、水と安全はタダ」。そう語られていた時代ははるか遠い。水の安全がいま、揺らいでいる。 7月17日、飲み水に含まれるPFASの管理をめぐり、環境省のもとにある「水質基準逐次改正検討会」と「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」が合同で会議を開き、計15人の専門家が出席した。 飲み水の目標値は2020年に初めて設けられたとき、健康影響についての評価が定まっていないとして「暫定」とされてきた。それから4年

米軍嘉手納基地周辺でのPFAS汚染、日本の調査結果が「基地は汚染源ではない」との幕引きに利用されたのか

沖縄で繰り返される米兵による性暴力事件が、外務省内で長く伏せられてきたことが明らかになった。米軍基地以外に要因が見当たらないPFAS汚染をめぐっても、真相の解明は宙に浮いたままだ。 その背景になにがあるかを浮き彫りにする興味深いレポートが6月末に発表された。 <嘉手納基地のPFAS汚染:日本の調査は幕引きに使われたのか> 沖縄で米軍による基地汚染を監視するNGO「IPP(The Informed-Public Project)」代表の河村雅美さんによるものだ。 嘉手納

ペットボトルのミネラルウォーターが汚染されていたことが発覚!1年以上販売されていたが神戸市は公表せず

ミネラルウォーターのPFAS汚染、情報公開請求で発覚市販されているペットボトルのミネラルウォーターから、水質管理のための目標値の2倍の濃度のPFASが検出されていたことがわかった。しかも、高濃度が確認されたあとも、少なくとも1年以上販売されていた。(※サムネイルの画像はイメージ) 驚くべき事実は、兵庫県明石市の市議、辻本達也さんが情報公開請求をしたことによって明らかになった。 明石市では、水源としていた明石川から高濃度のPFASが検出され、活性炭による浄化に取り組んだもの

アスリートの「見えざる敵」?人工芝のPFASは大丈夫なのか、海外では議論が巻き起こり規制も

東京都知事選では、「神宮再開発」が争点の一つに浮上している。 「100年先につながるまちづくりが必要」(小池百合子氏)、「(計画を)ひっくり返せば、むしろ混乱する」(石丸伸二氏)という推進派に対し、「非常に神聖な森。残すべき」(田母神俊雄氏)との反対派、「賛否を問う住民投票を行う」(蓮舫氏)とする見直し派などに分かれる。 環境破壊、都市開発、説明不足、利益誘導などさまざまな論点があるなか、PFASとの関連で気になることがある。計画案を見ると、新設される新・秩父宮ラグビー場