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諸永裕司のPFASウオッチ

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「永遠の化学物質」として問題になっているPFAS(有機フッ素化合物)。調査報道スクープや最新の自治体や企業の動き、取材の経過などをこちらで発信していきます。(取材:諸永裕司)
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2023年10月の記事一覧

【諸永裕司のPFASウオッチ】静岡の化学工場の従業員やOBの血液検査など実施へ…スクープが企業を動かした

SlowNewsで「静岡の化学工場で密かに従業員の血液検査が行われ、高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出されていた」「東京・多摩地区の学校や大学で、PFASに汚染された地下水が飲み水や給食の調理に使われていた」など、次々とスクープを放っているPFAS取材の第一人者、諸永裕司さん。報道をきっかけに行政が水質調査を始めるなど、いま注目の動きが起きています。そこで毎週、「諸永裕司のPFASウオッチ」として、「永遠の化学物質」をめぐる最新の動きや取材の経過などをお伝えします。

PFAS高濃度を従業員血液から検出の清水工場「今後のヒアリングも検討」静岡市長

フリーランス 諸永裕司 静岡県にある化学メーカーの工場で従業員の血液からきわめて高いPFOAが検出されていた問題で、静岡市は「2010年以前にもPFOAを使っていたことを確認した」としたうえで、さらなるヒアリングをするか検討する意向を示した。また、工場内の地下水からも非常に高い濃度のPFOAが検出されていたことに関連して、工場前の水路や市内の河川で水質調査することを明らかにした。 水質調査は実施へ 立入検査は「国と情報交換して方向性を」静岡市の難波喬司市長は13日、清水区

PFAS使用工場での血液検査、実は40年以上前から密かに行われていた…静岡市は工場周辺の水路を調査へ

フリーランス 諸永裕司 静岡県にある化学メーカーの工場で、長年、危険性を知らされないまま有機フッ素化合物(総称PFAS)が使われ、密かに行われた従業員の血液検査で、きわめて高い濃度が検出されていた。 そのことを示す内部資料について前回伝えたが、血液検査は今から40年以上前の1981年から密かに行われていたことが新たにわかった。この間ずっと、労働者たちは危険にさらされ続けてきた可能性がある。国や企業は今後も、追跡調査に動くことはないのだろうか。 一方、今回のスローニュース

【スクープ】化学工場従業員の血液から検出のPFAS「健康への影響懸念」指標の最大400倍示す内部データ入手

フリーランス 諸永裕司 「永遠の化学物質」と呼ばれる有機フッ素化合物(総称PFAS)。静岡県にある化学メーカーの工場では長年、危険性を知らされないまま使われていた。そして、2000年代に密かに従業員の血液検査が行われていたことがわかった。今回、きわめて高い濃度のPFASを検出したことを示す内部資料を入手した。初めて明かされる、国内での職業曝露の実態とは。 今回、入手したデータは、アメリカの大手化学メーカー、デュポン社が米当局に提出していたものだ。 デュポンは高度成長期の

【スクープ】超高濃度のPFASを従業員の血液から検出…静岡の化学工場の内部調査データを入手

フリーランス 諸永裕司 いま注目されている有機フッ素化合物(総称PFAS)による体内汚染は、実際にどれほど広がっているのか。これまでに東京・多摩地区などで汚れた水を飲んだ人々の血中濃度が高いことが判明したが、静岡県にある化学メーカーの工場で密かに従業員の血液検査が行われていたことが新たにわかった。入手した内部資料には、きわめて高い濃度のPFASを検出したことを示すデータが記されていた。検査は何のために行われたのか。従業員たちの健康に影響はでていないのか。私は工場へ向かったー