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メディアの現在地

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存亡を賭けた事態に直面している伝統的メディアと、プラットフォーマーなどの新興メディア。それぞれが抱える様々な問題や、新たな取り組みについての報道をまとめています。(ジャニーズとメ…
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2024年8月の記事一覧

政治家に利用されかけた!?サイト廃止、NHKの信頼も失墜しかねなかった最大のピンチとは【NHK政治マガジンの興亡⑤】

6年の歴史に幕を下ろした「NHK政治マガジン」。話題を呼んだウェブメディアは最終的には「民業圧迫」の象徴とまで言われました。どのように生まれ、どのような役割を果たし、どうして廃止されたのか。その秘話を数回にわたってお届けしています。 第5回は、次々と襲ってきた大ピンチについて。中には政治マガジンの存続どころか、NHKの信用失墜にもつながりかねなかった大問題もありました。 ジャーナリストの須田桃子さんが、「政治マガジン」を立ち上げ、3年間編集を担当した、熊田安伸・元NHKネ

ドラマ『セクシー田中さん』事件の報告書から見える「作家性」の軽視をベテラン編集者が読み解く

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 なぜ、作家性は守られなければならないのか?──ドラマ『セクシー田中さん』で浮き彫りになった原作者軽視の悲しき慣習日本テレビが制作したドラマ『セクシー田中さん』が、原作者の漫画家、芦原妃名子さんの死という悲しい結果につながってから、半年が過ぎました。 この

これでX離れも安心?!BluySkyに可能性を見つけたメディアの戦略とは

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 Twitterの代替になる? Blueskyに可能性を見出す新聞社X(旧Twitter)がメディアとの関係性もふくめて迷走するなかで、これまでXに記事の拡散やイベントの告知、読者とのエンゲージメントづくりを頼ってきたメディアの多くは、今後について頭を悩ませ

「嫌われた広告」の行方をデジタル広告のプロと考える…「ぼくらの『アドチェック』」イベント動画を会員向けに配信

スローニュース会員のみなさま、お待たせいたしました。7月31日に開催した会員限定イベント『デジタル広告のプロと本音で考える「嫌われたネット広告」に未来はあるか ぼくらの「アドチェック」』を収録した動画を配信いたします。 なりすまし広告や詐欺広告も横行するSNSの広告は、今や社会問題に。スマホやPCの画面を覆い尽くすような広告の数は、ユーザーにとって、邪魔者でしかありません。 ネット広告はなぜこんな嫌われものなってしまったのか。どんな被害をもたらしているのか。その惨状がなぜ

政界からの圧力・忖度はあったのか、そして最も読まれた「意外な記事」とは【NHK政治マガジンの興亡④】

6年の歴史に幕を下ろした「NHK政治マガジン」。話題を呼んだウェブメディアは最終的には「民業圧迫」の象徴とまで言われました。どのように生まれ、どのような役割を果たし、どうして廃止されたのか。その秘話を8回にわたってお届けしています。 第4回は、「政界からの圧力や忖度はあったのか」について打ち明けます。そして全期間を通して最も読まれた記事についても紹介。 ジャーナリストの須田桃子さんが、「政治マガジン」を立ち上げ、3年間編集を担当した、熊田安伸・元NHKネットワーク報道部専

独立して黒字化!ふざけた『デイリーポータルZ』の「真面目な収益化」に学ぶ

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 「黒字、出ちゃいました」 独立から半年、デイリーポータルZの今 林雄司に聞くこんな発想があったかというおもしろコンテンツでネットメディアにあっても異彩を放ってきたデイリーポータルZ。 私の好みは鳩の記事で、こんなのとか、 あるいは、広告企画もこんなのと

削除された「ガースー」と、スクープになった「訃報」、そしてついに達成した100万PV記事の裏側【NHK政治マガジンの興亡③】

6年の歴史に幕を下ろした「NHK政治マガジン」。話題を呼んだウェブメディアは最終的には「民業圧迫」の象徴とまで言われました。どのように生まれ、どのような役割を果たし、どうして廃止されたのか。その秘話を数回にわたってお届けしています。 第3回は、いよいよ有名政治家に焦点を当てた記事を配信、内容や演出にどのような工夫をしていたのか。そしてついに100万PVを超えた「NHKらしからぬ記事」とはどんなものだったのかなどについて。 ジャーナリストの須田桃子さんが、「政治マガジン」を