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終わらない戦争

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この世界から戦争が消えることはないのか。過去の戦争の今も残る傷痕や、現在も進行中の戦争に関する記事をこちらにまとめています。
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#ベリングキャット

ロシアのQアノン、ウクライナ侵攻で内部分裂か

取材・執筆:アイガニシュ・アイダルベコヴァ 翻訳:谷川真弓 2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した数時間後、ロシアのSNSテレグラムの人気チャンネルに、平和への祈りのような、励まされるメッセージが投稿された(訳注:テレグラムのチャンネルとは、管理者が登録者に対して一方的にテキストや画像、映像などの情報を発信できる機能)。 「神よ、ロシアとウクライナをお守りください」と投稿は言う。「我々は互いに神のご加護がありますようにと祈っています。我々の罪をお許しください」

ウクライナ侵攻の口実 車両爆破は「捏造」べリングキャットが専門家と解明

ロシアのウクライナ侵攻が進行中の今となっては、真偽の疑わしい挑発行為や、やらせのような事件が開戦前に次々と報告されたことはもう忘れられているかもしれない。どれもウクライナ軍の関与をほのめかし、軍事侵略の必要性を煽り立てる意図があったようだった。たとえば、ウクライナ軍が国境を越えているところを撮影したという映像に、下水処理場の塩素消毒設備を爆破しようとするサボタージュ(妨害工作)グループの様子とされる映像など――どちらも実際にはそういうものは映っていなかった。 取材・執筆:ニ

ウクライナ住宅街で「クラスター爆弾使用」デジタル調査で解明

ロシアとウクライナとの戦争に終わりが見えないなか、民間人の犠牲者も増加している。侵攻直後には、クラスター爆弾が学校や病院の周辺地域にすら着弾したようだ。 取材・執筆:べリングキャット調査報道チーム 訳:谷川真弓 クラスター爆弾は、爆撃目標に小さい子爆弾を大量にまき散らす種類の兵器だ。この子爆弾は散開して、さらに広範囲で爆発し、損害と死傷者が出る確率を高める。 被害が広範囲に及ぶため、クラスター爆弾は、「紛争において民間人への直接的脅威」をもたらす兵器として、また、最初の