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「災害前線報道ハンドブック」と災害関連リポート

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大災害は突然にやってきます。その時、何を取材するべきでしょうか。記者たちに的確な指示が出せるでしょうか。ありそうで存在していなかった「災害時の取材マニュアル」ジャーナリストのプレ…
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#津波

災害前線報道ハンドブック【第3章】検証フェイズ⑤危険な場所での住宅再建をどう調べる?

スローニュース 熊田安伸 前回はハザードマップなどのオープンデータで、「避難弱者」のはずの高齢者や子どものための施設が危険に晒されている実態などを伝える手段を紹介しましたが、今回はこうした津波の浸水想定区域に住宅が再建されてしまったケースなどを検証する方法について解説します。 基本ツールは「建築計画概要書」津波の浸水などが予想される危険な場所に住宅が再建されてしまっていないか。それを調べることができるツールが「建築計画概要書」です。 建物を建てるとき、建築主は「建築確認

災害前線報道ハンドブック【第3章】検証フェイズ④オープンデータで危険な場所を検証する

スローニュース 熊田安伸 津波の浸水域や土砂災害の危険区域など、いざ発災した時に危険な場所を示した「ハザードマップ」。これを使うことによって、「避難弱者である高齢者や子どもがいる施設が危険な場所にある」などが浮き彫りになってきます。今回は災害「前線」ではありませんが、未来の「前線」になる場所を事前に検証した報道の実例をご紹介します。 ハザードマップ、実は未完成洪水や土砂崩れ、津波などが発生した場合、被害が出る場所はどこか。それを地図で示したのが「ハザードマップ」です。まず

災害前線報道ハンドブック【第3章】検証フェイズ③大川小の悲劇はなぜ「人災」といえるのか

スローニュース 熊田安伸 いざという時にどう逃げるのか、事前に避難の手順を決めておく「避難マニュアル」は様々なレベルで存在しています。前々回、「防災計画」を調べることについて述べましたが、その一部になっているケースも。「避難計画」も検証すべきもので、調査報道によって問題を明らかにした事例をご紹介します。 大川小学校は、そもそも「避難マニュアル」に問題があった児童74人、教職員10人が津波の犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校。東日本大震災で「悲劇の小学校」と言われた場所で

Yahoo!の「災害マップ」は「命を救う公共メディア」に育つ可能性を示したか~能登半島地震でのコンテンツ表現は

スローニュース 熊田安伸 元日に発生した「令和6年能登半島地震」。いまだ被害の全容がわからず、安否が不明な方が大勢います。一刻も早い救助と、避難している人たちへの支援が必要です。 そこで今回は、メディア各社をはじめとしたこの地震に関するコンテンツの中から、「サービス・ジャーナリズム」「公共性」「可視化」などの観点から、特に目を引いたものを取り上げてみたいと思います。 「みんなで作る防災情報 災害マップ」がもたらすかもしれない新たな「公共」Yahoo!が発信した「災害マッ

オープンデータが導いた画期的判決 “常識”を覆した大川小裁判とは

一審ではとにかく「負けることが許されない」齋藤弁護士 だいたい国賠訴訟の裁判官の判断というのは、「現場過失一本主義」というんだそうですけど、とにかく現場でそこにいた公務員の過失が認められれば判決が書けるから、それ以外のところはいらんということなんですね。 一審の裁判官は、すでに自動車学校の事件の判決(注:宮城県山元町の自動車学校で津波で亡くなった従業員や教習生の遺族が学校側を訴えた裁判)で学校の責任を認めて、まさしく現場過失一本主義の典型的な判決理由を書いている。そういう裁