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「災害前線報道ハンドブック」と災害関連リポート

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大災害は突然にやってきます。その時、何を取材するべきでしょうか。記者たちに的確な指示が出せるでしょうか。ありそうで存在していなかった「災害時の取材マニュアル」ジャーナリストのプレ…
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2024年7月の記事一覧

「半数以上の市民が自宅に戻れず」「猛暑の中で汗だくの車中泊」能登半島の被災者の過酷な現状を伝える

今年の元日に発生した能登半島地震。現地の状況を伝える報道によって、半年以上が経過しているというのに、被災地の過酷な実情が見えてきています。今回はそうした報道をまとめてみました。 能登半島地震から半年 ビッグデータからみる能登半島地震の避難状況7月24日に発表されるや、すぐにいくつかのメディアが取り上げたのでご覧になった方もいるでしょう。LINEヤフーによる位置情報のビッグデータ分析レポートです。 一番に目を引いたのはやはり「輪島市・珠洲市居住推定者の自宅復帰率」でしょう。

【フォトルポ】そこには今も言葉を失う景色があった…何も知らない自分が情けなくて、何度も立ち尽くした

「現地で食事をとれないと思うので、今日明日の食糧を調達しましょう」 その言葉に、はっとさせられた。 そうだ、半年たったとはいえ、被災地に向かうのだ。輪島や珠洲では、まだ水もままならない場所もあり、コンビニだって、食堂だって、ほとんど営業再開できていない。自分たちの食糧ぐらい調達していかないと。現地で迷惑をかけてしまうことにだってなりかねない。 そこまで思いがいたらなかった。自分の想像力のなさを恥じた――。 たったの1泊2日で撮った写真は数百枚にのぼった。なぜ撮ったのか、

能登半島地震の発生から半年、「未来の災害で孤立する場所はどこだ?」を可視化した中日新聞の報道

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 あなたの地元は大丈夫? 災害時の孤立予想3659集落マップ 愛知、岐阜、三重、静岡、長野、福井、滋賀、石川、富山県能登半島地震の発生から7月1日で半年です。カレンダージャーナリズムというなかれ、この前後の時期に各メディアがどんな発信するのかと注目して見てい

ようやくできた仮設住宅が大雨が降ったら最大3メートル浸水する危険があると指摘するショッキングなNHKの調査

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 仮設住宅の42%に浸水や土砂災害のリスク 能登半島地震 被災地能登半島地震の被災地からは、半年たった今も「仮設住宅に入れない」「抽選から外れた」「避難所での生活は辛い」という声が聞こえてきます。みなし仮設住宅を含めても、まだ十分に供給できていない状態です。