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「災害前線報道ハンドブック」と災害関連リポート

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大災害は突然にやってきます。その時、何を取材するべきでしょうか。記者たちに的確な指示が出せるでしょうか。ありそうで存在していなかった「災害時の取材マニュアル」ジャーナリストのプレ…
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2023年8月の記事一覧

災害前線報道ハンドブック【第1章】発災フェイズ⑤災害の「顔」に気づけるか

歴史に残る事件・事故・災害は、必ず「新しい顔」を持って現れます。逆にいえば、従来とは違う新たな課題を社会に突き付けるからこそ、歴史に残るのかもしれません。早い段階にそれに気づけるかどうかで、その後の取材が大きく変わってきます。今回はその実例と、気づくための手法について述べます。 誰も何が起きているか分かっていない2004年の新潟県中越地震は、10月23日の本震の後も、マグニチュード6を超える余震が長く続いたのが特徴でした。それが従来の災害とは違う、思わぬ事態をもたらすことに

災害前線報道ハンドブック【第1章】発災フェイズ④犠牲者の情報特定と避難指示が出ている場所での取材

スローニュース 熊田安伸 災害の犠牲者についての情報をいち早く特定するためにはどこから情報を入手したらいいでしょうか。また、避難指示などが出た場所での取材の可否はどう判断したらいいでしょうか、今回はそれらについて説明します。 死者数の確定では「病院→警察」が重要いよいよ警察の情報が役に立つタイミングがやってきました。それは「死者の数を確定する取材」です。 以下の図は、内閣府防災情報のホームページにある資料で、災害の際の死者数報告の流れを示しています。