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「老化を抑える効果」人気のNMNサプリ、成分を検出できない商品まで流通していた

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

NMNサプリを検査、一部で成分検出できず 楽天・アマゾン人気商品

「老化を抑える」「寿命が延びる」そんなうたい文句の商品、私ならまず疑ってかかってしまいます。でも、いまそうした効果が期待できることを売りにしたサプリが通販サイトで人気なんだそうです。

それが「NMN」サプリ。NMNは、老化の制御にかかわる「サーチュイン」と呼ばれる酵素を活性化させるNADという成分に代わるのだとか。

その人気商品を朝日新聞が検査機関とともに調べたところ、NMNの成分が検出できない商品も売られていたことがわかったと報じています。

人気に便乗した粗悪な品が、流通しているおそれがあるということでしょうか。

そもそもこの「NMN」、どんなもので、なぜ人気になっているのか。朝日新聞は「NMN狂騒曲」として、盛り上がるビジネスの裏側を10回にわたってシリーズで伝えています。

複数の研究者にも取材していて、NMNの実際の効果については、こんな話も紹介。

「フェアに言えば、動物のレベルでは抗老化作用があり、老化関連疾患の改善作用が認められると言えるが、人でも同じかどうかを断定するのはまだ早い。ある条件や局面では人にも効果があると考えられるが、老化全般に効果があると結論づけるにはもっと研究を進める必要があります」

個人的には「若返り」に興味はないのですが、夢の薬、なんてそう簡単にできるものではないですよね。

話は変わりますが、驚いたのはこれらの記事を書いたのが、藤田知也記者だということ。少し前にスローニュースで紹介した、シリーズ「消えた郵便貯金」も手掛けた、調査報道記者です。

どちらかというと、経済事件に精通した記者だという印象だったのですが、こんな取材にまで手を広げているとは。今度、じっくりと舞台裏を聞いてみたいです。(熊)