見出し画像

「琉球は中国に属する」「沖縄独立」…フェイクニュースを拡散する中国工作アカウントを日経新聞が分析した

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

「沖縄独立」を煽る偽投稿拡散 背後に約200の中国工作アカウント

沖縄を舞台に中国がフェイクニュースをつかったプロパガンダをSNSでばらまいている。

という話は、誤情報を議論する場所でよくあがっていました。

その実態を、日本経済新聞が調査報道しました。

SNSで拡散する「沖縄の日本からの独立」を煽る動画を最新ツールで分析。さらに、解析しきれない部分は、記者取材し、偽ニュースの発信源だけでなく、それを拡散を仕掛けている大量の「情報工作アカウント」を見つけたのです。

さらに、取材をかさね、それらの情報工作アカウントがいずれも中国当局の言い分と一致した内容を拡散していることも確認しました。

イスラエルのSNS解析企業サイアブラが提供するAIツールを使った調査方法や詳しい内容はぜひ記事を読んでみてください。

こうしたプロパガンダが蔓延しているのがSNSの実態です。

政府や行政で偽情報の問題が議論されるときに、「熊本地震でライオンが逃げ出した」というフェイク投稿がよく引き合いに出されますが、実際にその投稿を信じて逃げ出した、混乱したという事実はあるのでしょうか。一方で、日本社会の混乱を目的にした意図的なプロパガンダは、きわめて悪質です。

フェイクニュースの議論をするときに、もっとも悪質で社会を破壊することを目的とした、このプロパガンダにもっと焦点をあてるべきだと感じます。それを絞らないからこそ、社会一般の言論や表現の自由を激しく毀損するような議論がまかり通っていることを懸念します。

まさに、そうした民主主義の根幹を揺らがすことこそ、プロパガンダを撒き散らす側の思惑なのかもしれません。

記事の最後に中国外務省は日本経済新聞の取材に対し、こうコメントをしていることも不気味でした。

「偽動画が出所不明で、コメントはしないが、日本も国際社会も琉球問題に関心を持ち、多くの人が多角的に研究し、さまざまな意見を述べている人達がいることが分かった」

                              (瀬)