![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134703306/rectangle_large_type_2_17e1f4e45c093e137f6a2753b8dce0f1.png?width=1200)
機銃弾だけで1機あたり4000万円!太平洋戦争末期の本土防衛空戦にいくらかかったのか
あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。
きょうのおすすめはこちら
新鋭機紫電改が出撃…呉軍港に来襲した「約350機におよぶ米海軍機動部隊の艦上機」を「三四三空」が迎え撃った空戦の「値段」
まもなく敗戦から80年が過ぎようとしています。79年前の1945年3月19日、約1000機もの米軍機が西日本に来襲しました。それを迎撃したのが、新鋭機紫電改です。
映画『この世界の片隅に』にも描かれたこの出来事を、ノンフィクション作家の神立尚紀さんが、「値段」という観点から検証する記事が新鮮です。
たとえば、戦闘機はいくらするのか。
仮に現代の価格が当時の3000倍だとすれば、戦闘機1機の価格21万2000円は、現代では6億3600万円になる(自衛隊のF-35A戦闘機の予算要求額1機103億円と比べれば安いものだが、装備も配備機数も違いすぎる)。この日出撃したのが、脚故障で出られなかった紫電1機をふくめば62機だから合計で394億3200万円。
弾薬にもお金がかかります。
紫電は各機20ミリ機銃弾200発、7.7ミリ機銃弾1000発を搭載するから、機銃弾の種類は同じ割合で搭載していると仮定して、1機あたりの機銃弾は3840円(1152万円)。紫電改は、過荷重状態で20ミリ機銃弾を900発積めることになっているが、機銃4挺に各200発搭載したとして1機あたり800発、1万3200円(3960万円)
この日、1回の出撃だけでも、現在の価値にして150億円もの費用がかかっていたと、神立さんは試算します。
そう考えると、戦争がいかに愚かなことなのか、ということが、あらためて感じられます。
もちろん撃墜された飛行機も含めてたくさんのパイロット、そして民間人の命が失われたことはいうまでもありません。
戦後80年を迎えようとし、さまざまな報道がされてきた太平洋戦争ですが、まだまだ伝えるべきことがあることをあらためて思う記事でした(瀬)