地方紙が1週間で2紙づつ消えていくアメリカでおきている「ローカルメディア救済」の動き
あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。
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アメリカでは2005年にあった新聞の3分の1が2024年までに消える
アメリカの新興メディアAXIOSは、アメリカでは地方新聞の消滅が加速していて、週平均2紙以上の新聞が休刊していると報じました。
この記事はノースウェスタン大学メディル・スクール・オブ・ジャーナリズムのレポートに基づくもので、2005年時点にあった新聞の3分の1が2024年までに消えるといいます。
その結果、アメリカの1,562郡のうち228郡、つまり全米の郡のおよそ7%が、ローカル・ニュース・メディアを失う危険性が高いと指摘しています。
日本のよう全国紙が存在しないアメリカではローカルメディアがなくなると、その地域の問題を報じるニュースメディアが消失する「ニュース砂漠」が生まれることになります。
「ニュース砂漠」は大きな社会問題になっており、その結果、行政での腐敗が横行したり、治安が悪くなるケースがあることも、これまで報じられてきました。
こうした事態に、慈善団体が5年間で5億ドルをローカルメディアに寄付したり、地方議会では税額控除やニュースバウチャーを発行することなどを検討する、といった動きもおきています。
ニュースメディアが消えていくなかで、情報へのアクセス権をどう担保するのか、だれが担うか、アメリカの議論は深刻です(瀬)
(AXIOS 2023/11/16)