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「#関東雪結晶」で集めた写真は12万枚!科学研究がクラウド化する『シチズンサイエンス』の最前線

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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【荒木健太郎】私がSNSで12万枚の雪結晶写真を集めた理由

#関東雪結晶 」というハッシュタグをご存知でしょうか。たとえばXで見てみると、

とか、

とかといった美しい雪の結晶の写真が次々登場します。

それぞれ各地にいる人たちが、すべてスマホで撮影したこの投稿、実は単なる趣味ではなく、科学研究プロジェクトに基づいたものなんです。

このプロジェクトの中心人物で、新海誠監督の映画『天気の子』の気象監修などで知られる気象庁気象研究所主任研究官の荒木健太郎さんに、NewsPicksの須田桃子さんが取材をしています。

この「#関東雪結晶プロジェクト」は、関東に大雪を降らせる雲がどういう実態なのか、と調べるのが目的です。

なぜ結晶の写真なのか。地上に降ってくる雪の結晶の形や状態を見ることで、その雪がどういう雲で成長したかが分かります。それがわかれば、いずれどんな雲が出てくれば、どれくらい雪が降るか予想できるようになります。

そこで雪が降ったときの結晶を分析するのが一番です。しかし、関東で雪が降る機会は年に数回ほど。大雪となると数年に1度という頻度になってしまいます。一度に多くのデータを集めることが重要ですが、一人では広い地域をカバーできません。

そこでSNSで呼びかけて一般の人に広く協力してもらい、たくさんのデータを集めようと、このプロジェクトはスタートしました。

今回のようにSNSなどを活用し幅広く市民の協力を募って進める研究手法は「シチズンサイエンス(市民科学)」と呼ばれ、いま注目をされています。これまでも一般市民による研究はありましたが、SNSやクラウドコンピューティングの発達によって、その手法は大きく変わり、その可能性が広がっています。

科学者と市民のコラボレーションから何が生まれ、何が起きようとしているのか。ーー大宅壮一ノンフィクション賞受賞作家でもある須田桃子さんが取材する特集『「クラウド化」する科学』は、科学の最前線を教えてくれます。

市民の協力を得る手法は取材にも活用できそうだと参考にもなります。(瀬)







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