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せんべろで知られる「呑んべ横丁」が消えて、高層ビルの街になる「官製都市」の歪み

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タワマン林立、消える「せんべろ」 街の個性を生かせず

これは読んでいて、寂しく、悲しくなる記事でした。

「せんべろ」で知られる京成電車・立石駅前の「呑んべ横丁」が消え去り、再開発ビルになるというのです。

せんべろ、とは千円札一枚でベロベロに酔っ払うまで飲める立ち飲み、大衆酒場のこと。

立石の駅前には、こうした飲み屋が並び「せんべろの聖地」とも言われてきました。中でも代表的なのが、「呑んべ横丁」です。

私もよくお世話になりました。立ち飲み屋や居酒屋の間に、やはり安いスナックがあり、何軒もはしごするのが楽しい街でした。

しかし、その呑んべ横丁の店はすでに立ち退いています。そこは地上13階地下3階の再開発ビルがになり、葛飾区区庁舎が入ります。駅周辺は再開発により、3棟のタワーマンションが立ち並び、1900戸ほどになるそうです。

呑んべ横丁のあとはタワマンと再開発ビルに(立石駅北口地区市街地再開発組合作成)

この記事の中でも、地元で横丁存続を求める署名活動も起きたが、意見が反映されることはなかったこと、スナックのママが再開発の説明会に出席したが、土地や建物の所有権がなく、再開発に資金を投じるわけではないので、意見も言わなかったことなどを紹介しています。

もちろん、老朽化した木造の飲食店や住宅は、首都圏を襲う懸念がある大地震での深刻な被害は懸念されます。しかし、耐震補強や区画整理などといった対策も考えられます。

東京都内でも古い倉庫街を補強などを経て活用し、集客施設にしている寺田倉庫などの事例もあります。立石の場合も、ほかにはない古い町並みを資産として活用できなかったのか、とても残念です。

日本経済新聞は、「ゆがむ官製都市」というシリーズで、行政主導の再開発の問題を様々な形でとりげています。下記の記事も8月に「今日の必読」で取り上げました。いま注目の調査報道連載です。(瀬)

(日本経済新聞 2023/9/19)