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自分の小説の予告編動画はAIで自作する!かつてのSFのようなことをSF作家が実現した

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きょうのおすすめはこちら。

小説家が自作の予告編動画を動画生成AIで作ってみた

ついにこんな時代が来たか、というのが本日紹介するコンテンツ。SF作家の安野貴博さんが、自らの小説の予告編動画を、AIで自作したというのです。

小説『サーキット・スイッチャー』が文庫化されることになり、それに合わせて作ったのだとか。出来上がった動画はこちらで見ることができます。いかにも動画生成AIっぽい質感ではありますが、一昔前だったらこのクオリティのCGでゲームのオープニング動画とか作ったらいくらかかったことかと。

安藤さんは、その経緯と使ったツールなどを、noteで明らかにしています。詳しくはそちらを読んでいただくとして、ポイントだけ説明すると、以下のような手順を踏んでいるとのことです。

  • 楽曲生成AIでBGMを制作

  • ナレーションも音声読み上げのツールで作成

  • 感情を込めるセリフは別途音声変換ツールで

  • 画像生成AIで「原画」を大量に作る

  • 「原画」を動画生成AIで動画に

  • 音声に合わせて人物の表情を生成するツールを利用

数分で簡単にできたものもあれば、限界が見えたこともあったといいます。安野さんによれば「60点の動画の制作はかなり楽」とのことで、「ちゃんとした人が使えば70点ぐらいは取れるかも」としています。いえいえいえ、それでもここまで作るとは。スローニュースのコンテンツを自分の手で動画にしたいと思ってしまいましたよ。

そのうえで、「現時点では70点より上に改善していこうとすると途端に難しくなるだろう」と感じているようです。確かに道のりは遠そうにも見えますが、このところ飛躍的に技術が伸びるのを目の当たりにしていますから、そう遠い未来でもないのかとも思います。いずれ安野さんの小説を読み込んだAIが、それだけで動画を生成する時代も来るのではないでしょうか。

そいういえば、動画生成AIが一気に加速するのではないかと期待を抱かせるきっかけとなったOpenAIのSoraが、先日、作例をいくつも公開していましたね。

Bloombergによれば、Soraをハリウッドに売り込む動きもあるとのことで、生成AIが作った映画の予告編も、現実になるかもしれません。

安野さんは、「クリエイター個人が脳内の映像を形にしやすくなってきた」という言葉で締めくくっていますが、コンテンツの作り手にとって時代が変わる予感がします。(熊)



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