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復興支援に投じられた補助金、誰がどう使ったのか、不正はなかったのかを調べる『災害前線報道ハンドブック』第4章 復興フェイズ⑥

スローニュース 熊田安伸

お待たせしました、連載再開です。引き続き、復興フェイズで役立つ取材手法をご紹介していきます。

前回は復旧・復興工事に携わる企業の調べ方をお伝えしましたが、今回はそうした業者などに、どのような補助金が投じられているかを調べる方法を解説します。


自治体の補助金は「主要な施策の成果報告書」から

地方自治法に基づいて、地方自治体が決算とともに議会に示すのが「主要な施策(政策)の成果報告書(説明書)」という書類です。年に1度しか出てきませんが、自治体がどんな事業を実施し、どれだけの費用を支出したかが分かる重要な資料です。ネットなどでオープンにしている自治体も多く、情報公開請求をしなくても手に入ります。

内容は予算費目ごとの目次、一般会計・特別会計の状況についての決算報告や、事業評価についての調書です。書式は自治体ごとにまちまちですが、ほぼ同じような項目が掲載されています。

この中には、補助金事業についての報告も含まれていて、どういった団体や活動に幾ら交付しているのかが分かります。例として、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の「令和5年度 主要な施策の成果等に関する説明書」を以下に挙げます。

津波の被害が大きかった、北上地区や雄勝地区について、住民などが移転した跡地を利活用するために補助金を支出していることがわかります。

この報告書はフォーマットが決まっていないので、自治体によって記述の詳しさに差がありますが、中には補助金事業の結果がどうだったのかというフィードバックを掲載している自治体もあり、「使い勝手が悪い」「役割を終えた」などという厳しい指摘が出ていて、取材に直結することもあります。

「補助金調書」を使う

官庁や地方自治体の中には、「補助金調書」を作成しているところがあります。補助金が適正に使われているかをチェックするためのもので、誰に、あるいはどんな団体に、どういう理由で、幾らの補助金を支出していたのかが分かります。補助金の効果や今後の方針を含めて、補助金ごとにシートでまとめられています。

これもまた、フォーマットが決まっていないので、自治体によって書き方や内容にはかなりの差があります。

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