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ジャニーズと最期まで戦った梨元勝の覚悟と、知らぬふりを決め込む「共犯者」広告代理店の無反省

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ジャニーズと一人で戦った梨元勝が、もし今生きていたら

最高裁でジャニー喜多川氏の性加害認定の判決を勝ち取った週刊文春チームのデスクだった木俣正剛・元週刊文春編集長が、ジャニーズと戦った芸能レポーター、故・梨元勝さんについて、『ダイヤモンド・オンライン』に寄稿しています。

梨元さんは、おもにテレビを活躍の舞台にする芸能レポーターでありながら、ジャニーズに限らず、大手芸能プロダクションに迎合するテレビ局の姿勢を厳しく批判していました。ジャニーズの問題をとりあげないように番組から求められて、降板をしたり、ボイコットしたこともあります。

その結果、リポーターとしての人気や実力は第一人者でありながら、テレビでの出番は激減していきました。

テレビ局からは締め出された梨本さんが、最後にたどり着いたのが、『梨本勝オフィシャルブログ』やインターネットネット動画というのは、先駆的でもあり象徴的です。

2010年に65歳の若さでなくなった梨元さんは、ノンフィクション作家の立花隆さんと講談社の女性誌『ヤングレディ』編集部時代に知り合い、終生交流があったことも出版界では知られています。

このコラムで木俣さんは、テレビ界にいてこの状況を黙認してきながら、ここにきて急に「反省」とか「報道すべきだった」などと言い出したキャスターやメディアについて、「彼らの言葉などまったく信じません」と切り捨てます。

木俣さんの寄稿でさらに注目したのは、広告代理店がジャニーズといっしょになってメディアに圧力をかけていたことを明かしていることです。

週刊文春はジャニーズ裁判に勝利したあとも、数々の嫌がらせを事務所から受けました。ジャニーズのタレントが出ている広告は週刊文春で使用されず、新商品の発表会からも締め出されたといいます。

ジャニーズが広告代理店をつかって広告出稿をコントロールし、気に入らないメディアを『兵糧攻め』する手口は、SlowNewsでも報じました。スポンサーの意向ではなく、出演タレントの事務所が媒体を選んだり、広告出稿の可否を決めたりするのはきわめて異例です。週刊文春にも、同様に手口で圧力をかけていたのです。

今回、ジャニーズが性加害を認めたことを受けて、所属タレントを広告に利用してきた企業では、それを見直す動きがはじまっています。しかし、これまでメディアへの圧力に加担してきた「共犯者」である広告代理店からは、いまのところ反省も改善も示されていません。

仮にジャニーズを外したとしても、その構造が残っているなら、また同じことを繰り返す懸念があります。反省も検証もすることなく、これまでと同様でやり過ごすつもりなのでしょうか。

差別や人権問題の解決をうたった「SDGs」をビジネスにしている広告代理店もあります。SDGs経営の観点からも疑問があることは言うまでもありません、

最後につけくわえると、一部のテレビ局はこれまで通りに取引をつづけることを早々に宣言しています。そんな中、NHKは自ら検証した番組を9月11日午後7時半から『クローズアップ現代』で放送します。番組内容はもちろん、その後、局としてどう行動していくのかに注目しています。(瀬)

(ダイヤモンド・オンライン 2023/9/5)
(SlowNews 2023/8/22)