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「デモ参加に1万円」“サクラ募集”に数千人が殺到　報酬受け取った参加者も…若者に広まった情報はデマか本当か

何が本当で何がウソなのか、にわかには分からない。デマというのは大抵、「いかにもありそうなこと」だからです。

そんな虚実が入り混じったSNSの情報が現実世界に侵入してきたような、異様な感じを覚える報道を目にしました。

有明で開かれた反ワクチンのデモ。そこには大勢の若者の姿が。しかし集会の内容には関心がなさそうなのに、一体なぜなのか。

フジテレビの松岡紳顕記者が違和感を抱いて若者たちについて行ってみると、その理由が判明。「デモに参加すると1万円の報酬がもらえる」という情報がSNSから流れてきたからだといいます。

しかし、現地で主催者は「報酬は出ない」と説明。集まった若者ともめる場面もあったということです。わざわざ千葉から来て、「交通費を損した」という若者も。

ところが中には、「報酬を受け取った」と語る人もいました。果たして「デモ参加で報酬」は真実なのか。

当初、この報道はFNNプライムオン来で9月29日に配信され、その際には結論は不明のままでした。しかしその2日後の10月1日にテレビでの放送があり、事態は進展していました。

当初、デマだとしていた主催者側が、ウェブサイトで「参加団体のうちの1つの責任者の友人1人が行った」と明らかにしたのです。

それにしても、デモという社会性の高い行動に、自分自身の関心や信念とも全く関係がないのに、1万円の報酬がもらえるという情報だけでこれだけ多くの若者が参加してしまう異常さに、強い危機感を覚えました。つまりは、同じように報酬さえもらえれば、どんな候補にも選挙で投票をしてしまったり、首長のリコールのための署名をしたりする恐れさえあるのではないでしょうか。

そして「デモに参加すれば報酬がもらえる」なんて都合のいいことはそうそうないのに、何の疑いもなく信じてしまう。リテラシーの欠如と切り捨てるのは簡単ですが、一方で「あのデモにはサクラが仕込まれている」なんていうそれこそ虚実不明の情報を普段から目にしているせいもあるのではないでしょうか。

それにしても、虚実不明の情報に対しては、足で稼いだリアルな取材というファクトが、実に効果的ですね。現実に起きたことを捉えた映像の迫力が、それを物語っています。（熊）