ライト、レーモンド…「角がない不思議な邸宅」から始まる米国の名建築を巡る取材旅
あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。きょうのおすすめはこちら。
円い邸宅の謎 フランク・ロイド・ライトの面影に導かれ
「私のカントリーハウス、グッゲンハイム(美術館)のようだけど、それよりもっと美しいのよ」
ディナーの席で知り合った女性からの誘いで記者が訪ねたニューヨーク郊外の邸宅は、森の中にたたずむ、角がない、不思議な木造のらせん建築でした。
美しい造形に魅せられた記者は、その建築家のルーツを追って、アリゾナやオクラホマなど米国各地を回ります。その途中に登場するフランク・ロイド・ライト、アントニン・レーモンドといった名建築家たちと日本の関係にもあらためてスポットライトがあたります。
なにより、目を引くのが、彼らが各地に残した名建築の写真です。記者はそれぞれを訪ねて回ります。
特に、ライトが自分のほれこんだ土地に建てたいものを建てたというアリゾナの「タリアセン・ウエスト」は圧巻です。乾いた砂漠の中にごつごつした岩と赤が目立つ建物は、森の中で滝とともに暮らす有名な「落水荘」とは好対照です。
週末にゆっくり読みたい、贅沢な記事でした(瀬)
(NIKKEI The STYLE12023/11/5)