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「芥川賞受賞者は落選者より長命、直木賞受賞者は短命」という論文

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きょうのおすすめはこちら。

芥川賞の市川沙央さん「ニコ動で予習した」 記者会見一問一答


今回の芥川賞は、自ら難病患者でもある市川沙央さんの『ハンチバック』が受賞をして注目を浴びています。

本の魅力を語るときに使いがちな「ページをめくる喜び」「紙やインクの匂い」について、健常者のマチズモとして紙の本を憎む、難病患者である主人公の指摘は、読んでいてドキッとしました。

受賞会見の一番最後でも、出版業界に強いメッセージを投げかけているのが印象的です。われわれの「当事者性」を問うています。

ところで芥川賞、直木賞といえば、行動経済学の泰斗、大阪大学の大竹文雄教授らによるユニークな研究があるのをご存知でしょうか。

芥川賞の受賞者は落選者より寿命が長く、直木賞の受賞者は逆に落選者より短命という興味深い論文をAERA.comが紹介をしています。

その理由を大竹教授が推測しているのですが、文学界の実情を考えると「納得」ではあります。(瀬)

(毎日新聞 2023/7/19、AERA dot. 2023/7/19)