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「賃上げ率が4%を切ると転職、退職を考え始める」 大規模調査で見えてきた会社員の「賃金意識」

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Indeed、「賃上げに関する意識調査」の「就業者の意識・行動」に関する結果を公開  「転職・退職を検討しはじめる」賃上げ率は+4.0%

今年の春闘は、大企業を中心に満額を含む高水準の回答が相次いでいます。

労働組合の中央組織「連合」に回答があった700社余りの集計では、賃上げ額は平均で月額1万6469円、上昇率5.28%と、1991年以来、33年ぶりに5%を超えたことがわかりました。

そんな中、人材紹介サイト大手インディードが気になる調査を発表しました。

同社は今年1月に、20歳~59歳の正社員の男女計2,400名を対象に、「賃上げに関する意識調査」を実施しました。

https://jp.indeed.com/press/releases/20240313

それによると、「この上昇率を下回ると転職・退職を検討しはじめる」賃上げ率を尋ねたところ、全体では平均+4.0%、大企業では平均+3.6%、中小企業では平均+4.2%という結果となりました。

さきの連合の調査による5%というのは、社員をつなぎとめるという観点からはいい線なのかもしれません。

同じ調査からは、こんな結果も出ています。

今年の年収の希望賃上げ率は平均7.2%という回答があったのに対し、予想賃上げ率は平均3.0%だったということです。https://jp.indeed.com/press/releases/20240226

ほかにも、いくら年収が増えると家計が助かるかなどの回答もあり、賃上げが政治的にも経済的も大きな焦点となるなかで、働き手の意識を知りためには参考になる調査です。(瀬)