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神田賢治財務副大臣の「税金滞納常習」で浮上する「個人会社」という抜け道

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〈滞納を繰り返し、自社ビルは差押4回〉“増税の司令塔”神田憲次財務副大臣は税金滞納の常習犯だった 神田氏は「間違いございません。深く反省しています」

税理士でもある財務省の副大臣が、自社ビルの差し押さえを4回も食らう税金滞納の常習者だった、という国会でも大問題になっている呆れたスキャンダルをスクープしたのは週刊文春です。

問題になっているのは神田賢次財務副大臣(写真は自民党ホームページより)。週刊文春が、神田氏の事実上の個人会社である有限会社エヌケイソリューションが名古屋市に所有する5階建てのビル差し押さえを繰り返していたことを報じました。

登記簿をみると、神田賢治税理士事務所も入居したそのビルは2012年から2022年までの間、4回の差し押さえと解除を繰り返しています。最後に解除されたのは2023年1月!

通常、税務署は税金が未納の場合は何度も通知をして催促をします。それでも納付されないときに、やむなく差し押さえをすることになります。それを繰り返しているのは、明らかな「常習犯」ですね、この副大臣は。

いま日本の財政は防衛増税や財政健全化という課題を抱えています。その司令塔が納税意識の極度に低い政治家というのは、あまりに納税者を舐めています。その下で働く財務官僚もかわいそうです。

神田氏について政治家としてのモラルの低さが発覚したのは今回だけではありません。

2019年に、神田氏の資金管理団体「神友会」と政治団体「神田憲次後援会」、支部長を務める「自由民主党愛知県第五選挙区支部」の3団体はいずれも、2019年まで4年連続で政治資金収支報告書を法定の期限までに提出していないことが発覚しています。

神田氏は税理士で、かつ総務省の政治資金適正化委員会に監査人登録しているという立場にもかかわらず、適正な処理を怠っていたんですね。

それにしても、今回は週刊文春の見事なスクープですが、そもそも神田氏はなぜバレないと思っていたのでしょう。それは、このビルが個人会社の所有だったからではないでしょうか。

政治家は法律にしたがって資産公開をしていますが、それはあくまで個人に限っています。こうした個人会社をつかった資産形成については、事実上チェックのしようがありません。そのためこれまで発覚しなかったのです。

今後は政治家の資産公開のあり方も見直す必要があるかもしれません。(瀬)








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