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被爆8年後を生々しく描いた映画『ひろしま』が無料公開中

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

井上・月岡映画財団 映画『ひろしま』無料視聴ページ

終戦からまだ8年しか経っていない1953年の広島市を舞台に、市民8万人が参加し被爆や被災地を生々しく描いた映画があります。『ひろしま』です。

作品はベルリン国際映画祭海外の映画祭でも受賞するなど高く評価されましたが、日本では反米的とされるなどの事情があり、全国公開にいたることはなく、ほとんど忘れられた映画となっていました。

その映画を、出演者の月丘夢路さんの遺志をついだ井上・月岡映画財団が、ネットで無料公開をしています。

宝塚出身の人気女優だった月丘夢路さんは、この映画で生徒とともに被爆し、亡くなる学校教師を演じました。

当時、松竹映画の専属女優だった月岡さんは、これまでのイメージを損なうという会社の反対を説得し、この映画に無償で参加をしたそうです。その経緯を、月岡さんの遺族で、井上・月岡映画財団の代表理事である井上絵美さんが寄稿しています。

https://inoue-tsukioka.com/wp-content/uploads/2023/05/separate_volume_hiroshima_0322-.pdf

では、この映画が、なぜ当時、上映されなかったのか、その後も半世紀以上も封印されてきたかは、こちらのNHKの記事に詳しいです。

まだ原爆の爪痕が残る広島。撮影で使われた衣装や瓦礫は実際に被爆したものを集めて使っています。まだ8年しか経っていない街のようす、被爆者の姿はドキュメンタリー、そのものです。

この夏、ゆっくりとご覧になってはいかがでしょうか(瀬)