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岸田改造人事の「政治とカネ」チェックの結果は?各メディア報道まとめ

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

9月13日の内閣改造・自民党役員人事の結果を受けて、各メディアが新閣僚や党役員の「身体検査」をしていますね。独自に調査した結果の報道をまとめてみました。以下、報道された日付順です。

小渕優子がドリル秘書“不動産会社”に政治資金1200万円を還流させている!

週刊文春は2度にわたって小渕優子・選対委員長の政治団体の疑惑を報じています。

まず、過去に政治資金規正法違反で有罪判決を受けた元秘書が役員に名を連ねる企業や親族の関係する企業に多額の資金が流れているとするもの。これについて小渕氏側は「政治資金収支報告書記載の通り」「元秘書は無報酬で還流という指摘もあたらない」としています。

小渕優子 父のマネロン団体から1億5千万円を“特権相続”

問題の根は制度そのものにあると思われるのが次の報道です。

父の小渕恵三元首相の資金管理団体から、死後に複数の政治団体を迂回させる形で、約1億5千万円の政治資金が小渕氏の団体に流れていたというもの。政治団体間の資金移動は非課税となります。

小渕氏側は「政治団体の政治活動の原資であり、個人の相続財産と異なりますので、ご指摘は当たらないと考えます」としています。

ただ、2世、3世議員がいかに有利なスタートダッシュができるかがよくわかりますよね。

また、こうした問題について以前、国税当局の幹部に取材したところ、そもそもの政治団体の仕組みに問題があるとして、「例えば巧妙に個人の資産を政治団体に移し、死後にそれを政治団体間で移動させれば相続税逃れに利用できてしまう。かつては財団法人を利用した相続税逃れが相次いだので法改正が行われたが、政治団体では規制できる仕組みがない」と指摘していました。

「決して忘れることない傷として、その歩みを進めていきたい」とまで言うのであれば、ぜひ小渕氏には政治団体の仕組みそのものを改める取り組みを実践してほしいと思います。

加藤鮎子こども政策相が実母に政治資金900万円を還流…新閣僚に早くも“政治とカネ”が噴出

日刊ゲンダイは、加藤鮎子こども政策担当相について、2つの問題を指摘しています。

まず、資金管理団体「加藤鮎子地域政策研究会」に、別の政治団体から法で定められた上限を超える250万円のパーティー券収入があったこと。

もう一点は、この団体から事務所の「家賃」として月15万円を建物の所有者である加藤氏の母親に支出していることです。5年で900万円にのぼっていて、賃料が地元の相場より高いのではないかとしています。

加藤氏側は、パーティー券収入は本来「寄付」とすべきだったとして政治資金収支報告書を訂正するとしていますが、家賃に関しては適正な価格で問題はないとしています。

パーティー券の上限オーバーは極めて単純な話であり、会計責任者がなぜチェックできていなかったのか不可解です。また議員の親族などから事務所を借りるケースについては、2007年に当時の大臣が相次いで指摘されて以来、綿々と問題が続いています。必ず指摘される問題の典型なのに、なぜ説明できるようにしておかないのでしょうか。本当に不思議です。

また岸田内閣新大臣に「カネ」の疑惑発覚! 土屋品子大臣は「お花の教室」家賃を政治資金につけ回ししていた

デイリー新潮は、土屋品子復興相が2011年から13年にかけて、個人で開いていたフラワーアレンジメントの教室の家賃を、資金管理団体「竜の会」につけ回ししていたのではないかという疑惑を指摘しています。

また公設第一秘書にしている女性は、実家に住み込みで働いていて料理や掃除、高齢になった母親の世話をする「お手伝いさん」であり、秘書としてどれほどの勤務実態があるのかとしています。

土屋氏側は、フラワーアレンジメントの教室を開催していたことは事実だが不動産は政治活動にも利用していた、秘書の実働も間違いないと反論しています。

公設秘書については、以前紹介した維新の池下議員の2人の公設秘書が兼職をしていた問題でも明らかになりましたが、情報が十分に公開されていない現状があります。これもルールそのものを改善すれば、より透明性が高まるのではないでしょうか。

高市氏 萩生田氏 小渕氏の政党支部 衆院選直前に業者から寄付

NHKは、高市経済安全保障担当大臣と、萩生田政務調査会長、小渕選挙対策委員長がいずれも代表を務める政党支部がおととしの衆議院選挙の直前、国の公共事業を請け負っている業者からの選挙直前の寄付を受けていたと報じました。

公職選挙法では「国の公共事業を請け負っている業者が国政選挙に関して寄付すること」を禁じていて、いずれの事務所も道義的観点から寄付をすでに返金したか、今後、返金する予定だと回答しているということです。

どの事務所も「業者が国の事業を受注しているとは知らなかった」などとしています。

しかし補助金については、国からのものに限っては公表されるようになったわけで、事業を受注しているかどうかも(調べる方法はいくつかありますが、本当に悉皆的に調べられているかが分かりません)、国が分かりやすくオープンに開示する仕組みを作ってはどうでしょうか。

ここまで紹介してきた報道ですが、かつて、こうした問題をテクノロジーで解決しようという活動がありました。いまだに手書きも多い政治資金収支報告書ですが、そもそもの政治とカネの会計業務をクラウドで担えるようにしようというものです。

当時、このNPOの関係者に取材したところ、将来的にはAIを入れて、問題を抽出できるようにしようという考えもあったようです。ただ、この取り組みに賛同してくれる国会議員はほんの数人しかおらず、実現はしませんでした。

政治とカネの問題が無くならない中、ルールや仕組みそのものをもう一度見直すことで透明化は確実に進められます。いま一度、考えてみてはどうでしょうか。(熊)

(週刊文春電子版 2023/9/13、20)
(日刊ゲンダイ 2023/9/15)
(デイリー新潮 2023/9/20)
(NHK 2023/9/22)


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