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公共工事のコストはなぜ後になってから増額されてしまうのか…構造的な問題に日経が迫る

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

公共工事、物価高超す増額頻発 国発注の4割で計5.2兆円

大阪万博でも、東京オリンピックでもそうですが、後になってから「やっぱり予算が足りない」って、もう辟易としますよね。そういう後出しじゃんけんのようなことがなぜまかり通るのでしょうか。納税者はもういい加減にしてほしいと思っています。

そんな気持ちを代弁するような日経の調査報道が登場です。

国発注の公共工事で、着工後に人件費単価や物価の伸びを上回って増額する事例が頻発している。

コストを抑えようと競争入札をしているのに、変更契約をすると事実上の随意契約になってしまうので、コスト計算がずさんになりがち。このところの物価高などの仕方ない要因によるものを除いても、調査対象の4割以上が増額していたのだとか。

当初計画の2倍以上に膨れ上がった工事が30件もあったなんて、衝撃的です。

記事では海外の事例なども紹介して、ルール作りや検証するための仕組みづくりを呼び掛けていますので、関係者はぜひお読みください。

コスト増額といえば、週刊文春がこんな記事も出していました。

本当にそうした設計が相応しいのか、癒着が起きていないか、透明性を担保して様々な視点からチェックできる仕組みも欲しいところですね。(熊)

(日本経済新聞 2023/12/5)
(週刊文春 2023/12/6)

※サムネイルは国土交通省 九州地方整備局 立野ダム工事事務所のサイトより