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『虎に翼』で話題の冤罪事件!無実で逮捕されたとき「黙秘すべき」なのはなぜかを説いたマニュアル

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

取調べを受けることになったら ― 取調べを受ける心がまえについて ー

NHKの朝ドラ『虎に翼』、私も毎回楽しみに見ています。その中で主人公の父親が逮捕された事件は「共亜事件」は、戦前の「帝人事件」がモデルだといわれています。

ドラマの主人公の父親も無罪を勝ち取りましたが、実際の帝人事件はのちに全員が無罪になりました。現在では、政治的な謀略だったのではないか、とみられています。

この帝人事件で「主犯」として逮捕された永野護氏のインタビューがダイヤモンド・オンラインで公開されています。会員向けの記事ですが、彼の見立てによる事件の真相はとても興味深いです。

実は帝人事件のような大きな話題にならなくても、無罪だけれど警察に逮捕されるというケースは残念なことに無数にあります。いわゆる「痴漢冤罪」などもそのひとつです。

もし自分がそうなったときに、どうしたらいいのか。

それについて、しんゆう法律事務所がつくった、『取調べを受けることになったら―取調べを受ける心がまえについてー』というマニュアルともいうべき資料が、とてもわかりやすいと司法関係者の間で話題になっています。

結論から言えば、「黙秘すること」です。

「なにもやっていないのだから正しい主張をすればいいのではないか」、「警察や検察は真実ならわかってくれるのではないか」という疑問から、「なぜ黙秘できないのか」、「脅されたらどうしたらいいのか」「雑談には答えていいのか」といった具体的な行動にまでふれています。

もちろん、実際に対応するかは、それぞれの判断ですが、それを考えるためにも大いに参考になります。

また、ここで触れられている取り調べの手法の問題はきわめてリアルです。いまの司法の課題を知るためにも、ぜひ読んでみてください。

下の画像をクリックするすると、マニュアルに飛びます。

このマニュアルのなかでは厚労省官僚時代に冤罪で逮捕され、のちに無罪と証明された村木厚子さんの話は何度も引用されています。どんな事件だったか、どんな捜査が行われたか、興味がわいた方は、この日本弁護士連合会のサイトがわかりやすいです。

もちろん、村木さんが体験を明かした本は、まさに必読です。(瀬)