【スクープ】広島県警に無視された外部からの「通報」 放置された「自首」
取材・執筆 フロントラインプレス
広島県福山市内の警察署警備課で繰り返されていたという「カラ出張」。上席の指示に逆らえず、虚偽の出張願などを作成していた警備課の巡査部長は、在職中に一連の事実を県警に伝え、最後には監察官室に公益通報(内部告発)した。
巡査部長はカラ出張の当事者であり、県警に事実を伝える行為は犯罪の申告「自首」に等しい。ところが、監察の調査や犯罪の捜査は遅々として進まず、事実上、放置状態だった。
元巡査部長が県警の監察官に語った不正の内容とは
巡査部長は2022年3月、まず、広島県警本部の人事部門に事実関係を伝えた後、30日には監察官室に電話で、31日にはメールで公益通報した。そして同日付で広島県警を退職した。監察官に対面で事情を聴かれたのは、4月22日である。
フロントラインプレスが入手した関係書類や巡査部長の備忘録などによると、聴取の冒頭、「元巡査部長」になっていた男性は監察官に事実関係を記した書面を提出し、次のようなやりとりから聴取は始まった。