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災害前線報道ハンドブック【第2章】避難フェイズ④仮設住宅に「入居したくない」理由こそ取材を

スローニュース 熊田安伸

発災のあと、生活再建に向けての基盤として“最重要”の扱いで多額の費用をかけて整備される仮設住宅。厳しい避難所暮らしが続くなか、メディアも「行政は早く造れ」と連呼しますが、単に造ればいいというものでもありません。なんと「入居したくない」という被災者が相次ぐ“想定外”の事態が起きていました。決してわがままなどではありません。被災地でどんなことが起きていたのか、2回に分けて実例と取材のポイントを紹介していきます。


仮設住宅への入居辞退が相次ぐ現実

東日本大震災の被災地、宮城県亘理町でようやく仮設住宅が完成し、申し込みが始まった時のことです。多くの報道は、仮設住宅の完成と被災者の「これでまずは一段落」という声を伝えていました。

しかし、鍵を受け渡しするの様子を取材していた記者が、おかしな様子に気づきます。入居の手続きではなく、入居をキャンセルする被災者が次々と訪れていたのです。

被災者に事情を聞いてみると……

ここから先は会員限定です。仮設住宅を造ることはとにかく大事だというバイアス、それにとらわれず、現場で見えたものとは。仮設住宅をめぐる取材の具体的な実践例です。

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