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メディアや企業の公式アカウントは信頼されない?タテ型動画の最新事情、キーワードは「クリエイター」と「個人」【InterBEE 2024リポート②】

日本最大級のメディア総合イベント「InterBEE」。メディアの最新事情を知ることができるセッションの中から、注目の内容をリポートしています。

今回は、流行りのタテ型動画と「個人メディア化」への最新事情について語られたセッションの内容をご紹介します。

スローニュース 熊田安伸


タテ型動画の最新事情は

SNSで急成長しているタテ型動画のトレンドや、マーケティング活用法はどのようなものか。「タテ型動画マーケティングの最前線」というセッションには、プラットフォーマーと広告会社の関係者が登壇し、データやソリューションを解説してくれました。

まずは全体状況を説明してくれたのが、電通デジタルのチーフメディアリサーチャー、天野彬さんです。

天野 彬さん

ヨコ型(Horizontal)からタテ型(Vertical)に注目が移りつつある背景には、操作性・視聴体験の良さや没入感・相互性の高いクリエイティブなどがあるためだとして、視聴完了率やエンゲージメント率などの指標でヨコ型を上回っている調査結果が多数だと解説しました。「ビフォアフ」「結論先取り」「テキストオーバーレイ」などのタテ型動画ならではの作りについては、「タイパ型」と名付けていましたね。

その上で、週に1回以上利用する10代の若者が60%以上にのぼっていることや、2027年には1942億円規模にまで成長する見込みだというデータを紹介しました。

インスタの戦略は?メタの中の人が明かす

続いてプラットフォーマーを代表して、フェイスブック・ジャパンのエージェンシー・パートナー・マネージャーの水谷晃毅さんが、インスタグラムで急成長しつつあるタテ型ショート動画の「リール」について詳しく語りました。フェイスブックの中の人がこうした表のイベントに出てくるのは珍しいですよね。

水谷 晃毅さん

インスタの従来のサービスのうち、「フィード」「ストーリーズ」「ライブ」は主に既存のフォロワーが接触するものでしたが、「リール」はフォロワー外のユーザーに届く可能性があるもので、そこが大きな特徴なのだとか。

ユーザーがインスタに使う時間のうち、リールが占める割合はすでに50%にのぼるようにまでなったといいます。インスタも含むメタのプラットフォームの利用者は全世界で32.9億人(中国を除く)といいますから、その影響力の大きさがうかがい知れます。水谷さんは、「もはやインスタは、リールを見るためのアプリだ。今後の利用者は60%、70%にも伸びていくだろう」と語っていました。

インスタの強みは「LINEとYouTubeの機能を兼ね備えていること」

動画プラットフォームで毎週動画を視聴する人の割合は、YouTubeが84%でトップ。次いでインスタが36%で2位につけているとか。

他のSNSとの一番の違いは「つながりと娯楽性の両方を兼ね備えていること」だといいます。つまり、LINEのようなメッセージ専用のアプリでもなく、YouTubeのような動画専門でコメント欄に書き込んだらそれで満足してしまうようなものとも違う。両方の特徴を兼ね備えているのが強みだといいます。リールをシェア、拡散させる機能が効果を生んでいる一方、DMでクローズドなメッセージも送れるのでLINE代わりに使うユーザーも増えてきているとか。

リーチさせるためにアルゴリズムを変えている

インスタにあるのは、ごく短い動画ばかりではありません。例えば最近では、1分、2分を超えるものもかなり見られるようになっているとのこと。そんな時にはユーザーの滞在時間を延ばしたいですよね。そこで……

ここから先は会員限定です。メタがやっているアルゴリズムに手を加える方法とは。そしてリーチさせるためのキーワードは「クリエイター」や「個人」。その理由とは。

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