批判される側の反論も取材した「積立王子」新連載の手法
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あなたは邪魔…セゾン投信前会長が語る解任劇、クレディセゾンとの亀裂と再起
今の積み立て投資ブームをつくった立役者の一人で、“積立王子”という愛称もあったセゾン投信の中野晴啓会長CEOが6月28日の株主総会で突然、退任したことが話題になりました。
中野氏が自ら創業した会社を去ったのは事実上の解任です。親会社であるクレディセゾンの創業者で会長CEO(最高経営責任者)の林野宏氏との経営方針を巡る対立が原因とみられています。
その中野氏が、ネットメディアのJBpressで新連載を始めました。今回、注目したのはその主張の中身ではなく、記事の「構成」です。
インタビュー風に構成されたスタイルですが、中野氏の言い分に対し、編集部側がひとつひとつクレディセゾンやセゾン投信についてその言い分を取材するなど、丁寧に確認をしています。
これ自体はオーソドックスな裏取り手法ですが、言いっ放し、聞きっぱなしのインタビューが残念ながら目につくこともあるネットメディアも参考にしてほしいと感じました。(瀬)
(JBpress 2023/8/14)