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<ジャニーズだけではない報道の忖度> 週刊文春「秋篠宮家の改築責任者」退職報道から考える『菊のタブー』

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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〈佳子さま独立の影で〉秋篠宮邸の工事責任者が密かに退職していた!〈宮内庁は「理由については……」〉

皇室の皇位継承にともない大規模な改修工事が行われた秋篠宮邸。この工事責任者ともいうべき宮内庁工務課の女性職員が、今年3月末に退職していたことを、今週発売の「週刊文春」2023年9月14日号が報じています。

週刊文春編集部は、この背景に秋篠宮邸の改修工事の間、この職員が秋篠宮ご夫妻にひんぱんに呼び出され、工事に関する紀子さまからの難しい要求が続いたことに疲弊してしまったのではないか、という見方を示しています。

この記事では、関係者の証言だけではなく、宮邸の改修工事の「入札・契約調書」や「変更契約調書」を入手し、実際に何度も工事に変更が加えられていることを明らかにしています。

これまでも週刊誌では、秋篠宮家を担当する職員の離職が多いことなどが報じられてきました。

一方、「皇室担当」がいる新聞やテレビではこうした宮家の実情や宮内庁の内情が報じられることはほとんどありません。結婚や出産などの慶事や公式行事のようすばかりです。

もちろん皇室にあってもプライバシーは重要です。眞子さまの結婚のように過剰なゴシップ報道については避けねばなりません。一方で、公人としての責任や公務・活動についての情報公開は必要です。

令和の時代となり、生前退位につづいて、これからの皇位の継承が注目されています。将来を考えると女性天皇や女性宮家など皇室のありかたも国民的議論を避けられない状況にもあります。皇室の実情やおかれている状況、その責任やご負担をきちんと伝えることには、報道機関として重要な役割です。

しかし残念ながら、新聞やテレビの皇室報道については「菊のタブー」があることを感じざるをえません。

ジャニーズ問題では報道に忖度があったのではないか、ということが問われています。皇室だけでなく、取材先との関係にはもたれ合いといったタブーがない報道姿勢を期待したいです。(瀬)

(週刊文春2023年9月14日号)