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同じインタビューでも全然違う記事ができる!『糸井重里のコピー10』が見せる編集という仕事の「おもしろさ」

最近では『ほぼ日刊イトイ新聞』の経営者が定着した糸井重里さんですが、その原点は「不思議、大好き。」「おいしい生活。」「くうねるあそぶ。」といった、いまも語り継がれるコピーを生み出してきた、コピーライターという仕事です。

その糸井重里さんに、名コピー、それぞれが生まれた背景や意図について、じっくり聞くという企画を『ほぼ日』と宣伝会議『アドバタイムズ』の共同で10月11日から配信しています。

聞き手は東京コピーライターズクラブの会長でクリエイティブディレクター・コピーライターの谷山雅計さん。

おもしろいのは、同じインタビューを『ほぼ日』と『アドバタイムズ』がそれぞれの方針で編集し、掲載していることです。

たとえばアドバタイムズはこちら。

一方で、ほぼ日はこんな感じです。

同じインタビューでも、まったく雰囲気が違います。内容も微妙に変わってきています。

もちろん、おそらく糸井重里さんが原稿を確認しているでしょうから、どちらかが正しいわけではなく、どちらも正解です。それが編集の面白さだな、と感じさせる企画です。

もちろん、自らのコピーについてじっくり語るのは、1983年の『糸井重里全仕事』以来かもしれない、という糸井さんの話も、時代背景やコピー制作の裏側がわかって大変興味深いことはいうまでもありません。

コピーより先に映像が出来ていたり、ロケ先の海外から一人抜け出して帰国する際に思いついたり、などといった当時の広告の世界がクリエイターたちの一見はなやかな、しかしプロとプロが激しく競う合う場所であったことが伝わってきます(瀬)

このコラムは、あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしいという方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツなどをおすすめしています