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夫婦同姓がこのまま続けば、2531年に日本人の姓がすべて「佐藤」になってしまうという大マジメな研究

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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夫婦同姓が続くと…2531年には「全員が佐藤さん」 東北大試算

 2531年、日本人は全員「佐藤さん」になります――。
 東北大学高齢経済社会研究センターの吉田浩教授が、国内で最も多い「佐藤」姓の増加率と人口動態を分析し、そんなシミュレーション結果を公表した。ただし、選択的夫婦別姓が認められず、夫婦同姓制度が続いた場合の結論だ。

毎日新聞がこんな研究を紹介している記事をみて驚きました。議論が白熱しがちな選択的夫婦別姓の問題にユーモアをまじえたアプローチをした研究だなと感心したのですが、しばらくしてこの記事の配信が4月1日だということに気が付き、心配になりました。

もしかしてエイプリールフールの「ウソ記事」じゃないのか。

そこであわてて調べたところ、本当にあったんです、この研究が。

佐藤姓増加に関する推計方法と結果について

その背景にあるのが一般社団法人「あすには」が手掛ける「Think Name Project」。選択的夫婦別姓について考えるきっかけをつくりを目指して、企業、著名人などと夫婦同姓の現状について考える啓発アクションをしていくプロジェクトで、この研究もそのひとつということです。

イデオロギーや生活文化が絡んで、ときに対立が深まり、過熱しがち議論に対して、ユーモアをまじえながらもしっかりデータをベースにした研究で現状への関心を高めようという試み、なかなかいいですね。

深刻な社会問題を多くの人に関心を持ってもらうのは、ときにこうしたアプローチも必要だと感じます(瀬)