裁判の「傍聴ブロック」を教育委員会が組織的にやっていた!わいせつ教員事件裁判の裏で行われた工作を暴いた執念の取材
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※お断り この記事にあるスクープの初出について、誤りがあるとのご指摘をいただき、訂正いたしました。リンクからお読みください。
ただ、それでも東京新聞の記者の営為は色あせるものではないので、当初の記事は以下にそのまま残してあります。
なぜか満席の横浜地裁…記者は1人の傍聴者の後を追い、確信した 横浜市教委の「傍聴ブロック」発覚の経緯
記者の執念がとんでもない問題を明らかにしました。
まずはこちらの東京新聞の記事。横浜市教育委員会が、教員によるわいせつ事件の裁判が開かれる際、横浜地裁に多数の職員を動員して傍聴に行かせ、それ以外の人が傍聴できないよう工作していたというのです。わざわざ旅費まで支給しているケースもありました。
公正な裁判が行われているか、事件がどのようなものだったか、それを知る権利さえ奪ってしまう由々しき事態です。さらに旅費を支給しているということは業務だったわけですよね。市教委の業務として裁判の傍聴を妨げるなんてとても理解できませんが、職員は誰も「おかしい」と声を上げなかったのでしょうか。横浜市民は「これにかかった税金を返してほしい」と言っていいのではないでしょうか。
教育行政に携わる人たちがこういうことをしたという現実に、暗澹たる気持ちになります。
この問題が明らかになった経緯も、記事で発信されています。
有名人や注目事件の裁判でもないのに、法廷に長い列ができ、傍聴席がスーツ姿の人で埋め尽くされている。それを見た記者が疑問を抱いていたところ、翌月も同じ裁判で同じ光景が。傍聴した人に話を聞くと、短くぶっきらぼうに答えるだけ。明らかな違和感を感じたといいます。
そこで傍聴人の一人を尾行。地下鉄に乗って追跡すると、市の教育事務所に入って行ったのです。市教委ぐるみの「傍聴ブロック」だと確信したのだとか。
違和感を抱いて足で稼ぐ。記者の基本をしっかり踏襲した素晴らしい取材ですね。
この「傍聴ブロック」、あってはならないことですが、実は別の裁判所で行われているのではないかというあるライターの方からの情報を受けて、スローニュースでも調べたいなと思っていました。全く種類の違う事件なので、まだ行われているかどうか、チェックしてみたいと思います。(熊)